私立学校に対して新たに財務情報の開示を義務付け、私立学校審議会の委員規定の見直し等を行う「私立学校法の一部を改正する法律案」が、四月十四日、衆議院の文部科学委員会（池坊保子委員長）で質疑が終了し、全会一致（賛成＝自民、民主、公明、共産、社民）で原案通り可決、同十六日の衆議院本会議でも可決、同日、参議院に送付された。
　今後は参議院文教科学委員会を舞台に審議されるが、同委員会でも私学関係者等からの意見聴取が予定されている。
　四月十四日の衆議院文部科学委員会では、野党の六人が質問に立ち、同法律案の趣旨や改正の経緯、国立大学法人と学校法人の違い、理事会、評議員会、監事が不正防止機能を果たせるかについての懸念、私立学校審議会委員の選任に対する国の関与の可能性および都道府県議会の承認の必要性、財務情報等の閲覧の方法についての検討状況などが取り上げられた。
　また衆議院文部科学委員会で同改正案の可決後、自民、民主、公明、共産、社民の五党の議員が提案者になって附帯決議の動議が提案され（民主党の川内博史議員が趣旨説明）、これも全会一致で採択された。附帯決議の概要は次の通り。�@政府や関係者は学校法人の管理運営制度の改善では学校法人の自律的な取り組みを促すよう関係者への趣旨等の周知や、改善状況の検証に特段の配慮を行う�A私学の重要な役割等から私学振興策の強化に努める�B理事長、理事の権限の明確化では私学の教学面の自律性の確保を図る�C私立学校審議会委員の選任では当該都道府県の教育全般の充実と発展を図る。