TOP >>
バックナンバー一覧 >> 2004年4月3日号二ュース >> VIEW
記事2004年4月3日 1929号 (8面)
勤勉な職業人を育成
資格・検定試験取得カリキュラム編成
山森理事長・校長 | 福島市の信夫山南麓にあり、文教地区に位置する、学校法人松韻学園、福島高等学校(山森元昭理事長・校長)。同校の専門科は生徒の能力を開発し、電気、電子、建築・土木、商業などに関係する分野で、勤勉で創意と協調性のある職業人の育成を教育方針の一つにしている。 昭和十七年、校訓として「規律・礼節・誠実」を掲げ、福島電気工業学校として出発、現在では電気、電子、建築・土木、商業、国際英語、普通の六つの科と、普通科実務教育コースを有している。 「本校は進学だけではなく、自分の興味・関心、適性などから自分の特色を見つけそれを発揮させるように心掛けています」と高橋邦雄事務長は語る。 この方針は、できるだけ在学中に資格・検定試験が受けられるようなカリキュラムを組んでいるところに表れている。特に普通科実務教育コースのカリキュラムにはその趣旨が徹底している。 このコースのポイントは三つ挙げられる。@生徒の個性を引き出すことができるように指導することを第一に心がけ、多様化するビジネス社会で活躍できる人材を育成するA各人の個性にあった資格・検定を幅広く、多数取得するカリキュラムを編成するB資格・検定試験に臨むことにより、チャレンジ精神が育成され、時代の変化に対して力強く生きていくことができる人材を育成する――。 選択科目をA、B、Cの三つのグループに分けた上で、それぞれに対して選択一から選択四までに含まれている多くの科目の中から自分の好きな科目を選択できるように配慮している。 例えば、Aグループ選択一には「簿記I」「第二種電気工事士I」「英語検定」、Bグループ選択二には「原価計算I」「宅地建物取引主任者I」「数学演習I」、Cグループ選択三には「公務員養成講座U」「宅地建物取引主任者U」「国語演習U」、Cグループ選択四では「医療秘書」「ビジネス情報U」「英語演習U」が含まれている。一年次はAグループから、二年次はA・Bグループから、三年次はA・B・Cグループの選択一から選択四までのそれぞれから一科目を選択できる仕組みだ。一時間ごとの普通授業に比べてこの授業は二〜三時間連続して行うため中途半端にならず、集中ができるし、また生徒の就職に有利だということもあって人気がある。 「一般科目の座学に比べて、実習形式の授業が多いため、目的がはっきりしていてやりがいがあります」「具体的な目標を持って学習するため、将来の仕事に直接役に立ちます」と、生徒からは喜びの声が上がっている。 目指す資格・検定は二十五種類だ。この中には「危険物取扱者」「国内旅行業務取扱主任者」「ボイラー技士」「レタリング」「医療秘書」「診療報酬請求事務能力認定」などが含まれている。 「それぞれの科で学ぶ中身を生徒や保護者にできるだけ分かりやすく示しています」(高橋事務長) 電気科では電気基礎、電気工事士実習、電子技術、コンピュータ実習を、電子科では電気基礎、電子学習、通信技術、コンピュータ実習を、建築・土木科ではCAD実習、測量実習、建築構造、現場見学を行う。商業科では情報処理、簿記、電卓、商業経済を学ぶ。また、国際英語科ではアメリカのロサンゼルスの同校の寄宿舎を利用し、三カ月間生活しながら生きた英語を学ぶ。
|
普通科実務教育コースの手話養成講座 |
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。 無断での記事の転載、転用を禁じます。
|