こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2004年8月13日号二ュース >> VIEW

記事2004年8月13日 1945号 (3面) 
私学の主体的改革できる環境を
私大連盟学長会議に学長90人出席
私大のガバナンス強化
イコールフッティングでも話し合い
 日本私立大学連盟(会長=安西祐一郎・慶應義塾塾長)は、七月十日・十一日の二日間、京都府のリーガロイヤルホテル京都で、平成十六年度第一回学長会議を行った。加盟校の学長ら、約九十人が参加した。
 冒頭に上智学院の高祖敏明理事長が文部科学省の大学設置・学校法人審議会の学校法人制度改善検討小委員会の座長を務めた経緯から、私立学校法の改正が教学運営体制の強化にどのような影響を及ぼすかなどについて話した。
 高祖理事長は、「ある学校法人の寄付金問題が発端でできた同委員会だが、審議の中で『(改正前の)私立学校法では、改革を機動的に行えない仕組み』という指摘があり、努力している私学を助ける、前向きな提言をしていこうという姿勢に発展していった」など、改正の舞台裏を説明。改正の主旨が、国による管理強化ではなく、私学が主体的に改革を行える環境を作ることにあったことを強調した。
 さらに、この春の組織編成から、これまで国立大学だけを見ていた文部科学省が、国公私立すべてを視野に入れる姿勢に転換したという見方があることを述べ、「私学に吹く風は、逆風ばかりではない」と話した。
 続いて、日本経済新聞社論説委員の柴崎信三氏が、現在、私立大学がどのような立場におかれているか、私立大学にはなにが求められているかについて、取材活動を通じて得た考えを述べた。
 柴崎氏は、日本の高等教育界における私立大学の貢献度の高さや、見えにくい部分で努力してきたことに理解を示しながらも「国立大学法人化という大きな動きに対して、私立大学の意見が政策決定に反映されるほど強く聞こえてこないことに、物足りなさを感じた」とし、私立大学の課題として「イコールフッティング論を深めながら、私立大学としてのミッションを再構築すること」と問題を提起した。
 会場からは、「『国公私共通の競争的資金』(COEやGP)と言うが、国費を投入した国立大と地道に作り上げた私大を比べ、国立大学にさらなる国費を投入しているに過ぎない」など、イコールフッティングについての意見も出された。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞