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記事2005年9月23日 1992号 (2面) 
日短協・就職担当者研修会開く
依然厳しい就職環境
就職意欲のレベルアップ必要
日本私立短期大学協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)は九月七日から九日までの三日間、大阪市内の大阪ガーデンパレスで平成十七年度私立短大就職担当者研修会を開催、企業人事部による講演、グループ討議などを行った。会場には、全国二百校から二百四十三人の就職担当者らが訪れた。

 冒頭、就職問題委員長の山田敏之・湘北短期大学学長は「就職環境は依然として厳しい状況が続いていて、学生も就職意欲、社会人になるための基礎的な意識が欠如している。これまでの就職支援は就職先・幼稚園などと学生との間を仲介する、『就職先紹介』というファクターが大きかった。これからはいかに学生に就職意欲を、または幼稚園教諭のレベルまで上げるかが就職担当者の使命となってきている」などと参加者に訴えた。
 その後、講演では採用者側から短期大学に向けて「短大生に求めるもの」をテーマに、企業人事部担当者や幼稚園園長三人が講演した。
 最初に子供の衣服販売を展開している(株)ミキハウスの辻寛・人事部マネージャーが講演。「客層も社員も幅広い年齢なので、コミュニケーション能力は重要。採用の際必ず見るようにしている。インターンシップや研修の中で、ディスカッションなどを通じて身に付けてもらう」と話した。
 その後、大神哲明・日本生命保険相互会社人事部本店人事課長は「一般職に求める水準は上がってきている。総合職との大きな違いは転勤があるかないかで、マニュアル通りの仕事なら契約社員で十分できる。『二年間の勤務で四大生を抜きます』といった意気込みのある人を求めている」と話した。さらに「結婚後も働き続けることが前提で『腰掛け』は採用しない。ライフプランを売り物にしている会社なので、自分の二十年、三十年の将来像を語ることができなければ入口の時点で難しい」と採用の条件について語った。
 最後に濱名浩・あけぼの学院立花愛の園幼稚園園長は幼稚園教諭と保育士の仕事について紹介した。濱名園長は「専修、一種、二種、いずれの教員免許でも、四大卒、短大卒でも仕事内容は同じ」とした上で、昨年度の幼稚園本務教員の約八割を短大卒が占めることなどを説明した。
 だが「(四大卒業生との)二年の差は大きい」(濱名園長)として、具体的に「世間知らず」「幼く頼りない」「リーダーシップを取れない」などを指摘した。しかし一方で「幼児との距離が近い」「情熱的であたたかく、信頼関係を築けやすい」などの短大卒業生の長所も強調した。
 濱名園長は「保育はマニュアルでは立ち行かない。課題解決の力が何よりも重要になってくる」と話した。

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