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記事2005年9月23日 1992号 (1面) 
日本の教育投資、OECDを平均大幅に下回る
私費負担割合高く
女性の理系学離れが顕著
経済開発協力機構(OECD)は、九月十三日、加盟国(三十カ国)に関して教育支出の公私負担割合や初等中等教育学校の生徒の標準授業時間数など教育の最新情勢を国際比較した『図表で見る教育OECDインディケータ(二〇〇五年版)』を公表した。
 それによると、国内総生産(GDP)に対する全教育段階の公財政教育支出の割合は、日本の場合、三・五%にとどまり、OECDの各国平均五・一%を大きく下回っていることなどが明らかになった。私費負担を加えたGDP比教育支出の割合でも初等中等教育で三・〇%、高等教育で一・一%と、OECD平均の三・八%、一・四%をそれぞれ下回っていた。
 また高等教育機関の教育支出のうち私費負担割合が高いのが日本の特徴で、私費負担割合はOECD平均の二一・九%を大きく上回る五八・五%。私費負担割合がわが国より高いのは韓国(八五・一%)のみ。こうした傾向は就学前教育でも見られた。こうした点について同報告は、「公財政教育支出のGDP比は三・六%とトルコに次いで低い。教育支出が少ないにもかかわらず、日本は教育制度が最も大きな成果を上げている国の一つになっているが、こうした成功は今後も維持できるのだろうか」と指摘している。日本の大学進学率に関しては、OECD平均を大幅に下回り、女性の大学進学率に至ってはOECDで最低の部類に入ること、女性の理系学卒業者数は、日本の場合、若年従業員十万人当たり三百七十二人とOECD平均(八百五十八人)の半数以下で、十五歳から数学嫌いの傾向が表れていることなどを指摘している。同報告は「これは学校で早いうちから男女差解消に取り組む必要があることを示唆している」と述べている。日本が平均的な教育支出水準にもかかわらず日本の教員給与が平均を上回っているのは、授業時間が少なく、学級規模が大きいため。
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