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記事2006年12月23日 2052号 (7面) 
新校長インタビュー (139) ―― 帝京中学・高等学校
校長 金野 眞行氏
生徒の学力向上を図る
教員の自主的発想が大切


 帝京中学・高等学校(東京都板橋区)の金野眞行校長は、教頭だった五年前から前校長とともに学校改革に乗り出した。「最終的には生徒の学力の向上を図るためには、まず教員の意識改革が必要だ」(金野校長)との思いからだ。授業評価を行うこと、夏休みや冬休みに教員は講座をもち出勤を義務づけること、そして、教員自身の学力テストなどを次々と実施した。
 「『教員の学力テスト』は、教頭になって三年目に行ったのですが、内外部から随分批判されました。しかし、私は教員が自分の力を知ることは生徒のためになるのだ、ということに気づいてもらいたいという考えから行ったものなのです」と振り返り、「校長に就任し、いろいろ考えた結果、現在は教員の自主的な発想を大切にし期待しています」と心境を語る。
 同校は、「努力をすべての基とし、『正直・礼儀を重んずる』の校訓にのっとり、前途洋々たる男女を、心身ともに健全で、責任感に富む公民として育成する」を建学の精神に掲げ、知・徳・体のバランスの取れた教育を目指している。
 高校では、(1)文理(中高一貫)、(2)文理(高校入学)、(3)理数(一貫生・高校入学生の混合クラス編成)、(4)インターナショナル(一貫生・高校入学生の混合クラス編成)、(5)文系(高校入学生)――のコース制を導入している。
 「生徒の学力をつけることと同時に、最近、生徒の心の問題(いじめなど)について注意を払い、他人を思いやる気持ちを持つように日ごろから話しています」
 現在、授業を受け持っていないので、生徒とできるだけ接するようにしている金野校長。自分の子供のときの体験が原点になっていることを生徒に話し、やる気を起こさせるように心掛けている。
 学力ばかりでなく、部活動は素晴らしい成績を残している。今年、高校総体でサッカー部は準決勝に進出、女子柔道部は個人五二キログラム級で優勝した。また、全国高校野球選手権大会では、ベスト八(エイト)という結果を残した。
 平成十六年に新校舎が完成した。採光に配慮したガラス張りの校舎は、開放感の中にも緊張感が感じられる空間づくりを目指している。
 金野校長の専門は化学。教え子の中には百人以上の医師や歯科医師がいるという。

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