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記事2006年4月23日 2019号 (2面) 
平成19年度から全国学力調査 文部科学省の検討会議の最終報告
小6、中3対象に国・算数の理解活用等を調査
私学は自主参加に
 文部科学省の全国的な学力調査の実施方法等に関する専門家検討会議(座長=梶田叡一・兵庫教育大学長)は、四月二十日、都内で十二回目となる会合を開き、「最終報告」をとりまとめた。今後は同省が実施要項を策定、各教育委員会や学校、PTA等に実施の協力を要請していくが、一部調査への抵抗や拒否反応等も予想され、今回の学力悉皆調査の意義をどれだけ国民に理解してもらえるかが、成功や継続の鍵となる。
 全国悉皆調査は平成十九年度の一学期に小学校六年生と中学校三年生を対象に実施、夏休みまでに結果を公表するが、同省では今年度中に、小学校、中学校各百校を対象に予備調査を行い、採点の仕組みや採点基準の確認、システムの検証等を行う予定にしている。
 調査では、児童生徒の教科の内容の理解・活用(国語と算数・数学のみ)のほか、学習意欲、学習方法、学習環境、塾通いや睡眠時間といった生活の諸側面、学習環境等と学力との相関関係、学校の教育条件の整備状況と学力の相関関係などを調査する。
 今回の学力悉皆調査は、同省が国の責務として果たすべき義務教育の機会均等や一定以上の教育水準が確保されているかを把握し、教育の成果と課題などの結果を検証、また検証結果を新たな教育施策や国の施策の改善などにつなげるのが目的。それと同時に各教育委員会や学校の指導改善に役立ててもらうほか、各児童・生徒の学力等の診断のデータとしても活用される。ただし児童生徒の学力診断の側面の限界を指摘する委員もいる。また同会議は、調査結果が一人歩きし、単に点数による序列化を招くことには終始強い警戒感を抱いており、どこまで本来の趣旨にそってデータの有効活用を図れるか、結果の公表の仕方の工夫など国、地方公共団体の対応が問われる。
 文部科学省では調査結果を各学校や児童生徒自身の学習改善に役立てるため、問題や採点基準、出題のねらい、児童生徒の学習状況の評価との関係については公開する。
 私立学校の調査への参加は義務ではない。しかし同省では積極的な参加を呼びかける方針で、私立小・中学校の場合は国全体の単位で結果を公表する。

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