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記事2006年7月23日 2031号 (7面) 
新校長インタビュー (133) ―― 明治学院高等学校
校長 小林 敏氏
キリスト教精神のもと 真に生きる力を
カリキュラムと施設の充実


 明治学院は、ヘボン式ローマ字で知られるJ.C.ヘボン、S.R.ブラウン、そしてG.H.F.ルベッキの三人の宣教師によって創立された。創立はヘボン塾開設の一八六三年。わが国で最も伝統のあるキリスト教主義の学校だ。明治時代に建築された文化財指定の建物が現在残されており、学院の歴史を刻んでいる。
 明治学院高等学校(東京都港区)の小林敏校長は、「しっかりとした学力を養成するとともに、聖書の学びやさまざまな学校行事を通して、真に生きる力を身につけることを目指しています」と語る。その目指す教育を支えているのが「隣人を自分のように愛しなさい」というキリスト教精神だ。それは各学年週二回、礼拝を行い、また、聖書の授業を全学年必修にしてはぐくまれている。
 同校は完全週六日制に基づいたカリキュラムを実施している。一年次は必修科目だけだが、二年次から多様な選択科目を配置し、各自の進路に合わせて履修できるようにしている。文系・理系といったコース制は導入せず、選択科目ごとに教室を移動するかたちをとっている。選択科目は語学学習をはじめ、受験対応科目、明治学院大学との連携講座など豊富だ。語学はフランス語と韓国語も選択できる。
 同校が、教師と生徒がともに生き方を考えていく学習として力を入れている「総合学習」は、一年ではガイダンス合宿で学んだ「キリスト教と明治学院」についてレポートを作成、二年次には六つの特色あるコースの中から一つを選び、週一回の授業と研修旅行を行っている。六つのコースは、「ウチナー(沖縄)コース」「長崎コース」「田舎暮らしコース」「青森・下北コース」「韓国コース」「米国コース」。「教育内容にかかわる問題として、生徒の進路志望に応じたカリキュラムの見直しと、施設・設備のより一層の充実が課題です。知恵を出し合って、よい方向に進めていく調整役になりたいと思っています」と抱負を語る小林校長。また、生徒に対しては「一人ひとり持ち味を大切にしながら、力強く生きていってほしい」と期待をかけている。
 一九七四年、同校に奉職、この四年間は副校長として前校長を支えた。日本史が専門。

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