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記事2007年1月3日 2053号 (2面) 
指導要領改訂来年度以降
学校間接続や目標も次期中教審に
【初等中等教育分科会・教育課程部会】
 中央教育審議会の初等中等教育分科会と教育課程部会(分科会長、部会長=木村孟独立行政法人大学評価・学位授与機構長)は昨年十二月二十二日に都内で合同の会合を開いた。今年度中の改訂を目指していた学習指導要領は来年度以降に持ち越し、小・中・高校での学校間の接続や各校種の目標についても次期中教審で詰めることとなった。
 学習指導要領の見直しは、平成十七年二月に中山成彬文科相(当時)が子供の学力低下傾向の影響などから諮問。これを受け教育課程部会が昨年二月に審議経過報告を取りまとめ、「言葉と体験の重視」「国語力の充実、理数教育の改善、外国語教育の改善」「伝統、文化に関する教育、規範意識の育成、運動の習慣づくり、食育の充実」「授業時数の見直し、学校週五日制の維持」「到達度目標の明確化、学力調査」などを基本的方向性として示した。
 その後、専門部会で審議を重ね、昨年夏以降は具体的改訂事項を詰め、今年度中の学習指導要領改訂を目指していた。だが答申には至らず二月以降の新たな中教審委員での継続審議となった。
 他方で初等中等教育分科会では、義務教育の年限の在り方や幼稚園、小・中学校、高校での目標、学校種間の連携・接続の改善について議論してきた。特に九年間の義務教育年限については国庫補助の問題も絡み、現状維持とする意見、五歳まで引き下げる意見と、賛否が分かれている。
 この各学校種の目標等については、現在の委員の任期である一月末までに論点整理までは行う方針だ。
 会合では、横須賀薫・宮城教育大学長は「適性は分化していく。十五歳を超えて起こっていないのはおかしいと思う」と指摘。また小学校での英語教育について、小説家の阿刀田高氏が「小学校で少しやっても意味がない。中学校、高校でどうやっていくかが明確に現れていない。継続性を捉えていくことが大切」と述べた。
 北條泰雅・みなと幼稚園理事長は義務教育について「現時点で五歳児まで前倒ししたら、混乱を招くだけではないだろうか」と強調した。また田村哲夫・渋谷教育学園理事長は「教科書の採択については、一番影響のあるものだからきちんと議論しておいた方がよい」と今後の中教審の審議に注文した。

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