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記事2007年5月3日 2064号 (1面) 
衆院教育再生特別委文科相が私学行政で見解
地方議会知事部局点検を
未履修問題の再発等に 現行法でも対応
学教法審議では 田村中高連会長 参考人に
大型連休が明けて国会での重要法案審議が再開したが、内閣提出の教育再生三法案等を審議中の衆議院「教育再生特別委員会」(保利耕輔委員長)も五月七日からほぼ連日のペースで審議を進めている。このうち七日、十日の委員会では私学行政のあり方が取り上げられ、伊吹文部科学大臣は、再び未履修問題などが生じた場合、地方自治法に基づく知事への一般的な是正要求や、必要な法改正も考えられるが、その前に地方議会による知事部局のチェックに期待する考えを明らかにした。

 これは、国民新党の糸川正晃議員の、私学において児童の教育を受ける権利が侵され、生命の危険を生じた場合の文部科学省の対応を尋ねたのに対し答えたもの。
 伊吹大臣は「(必要な措置がとれない)知事は、まず住民の代表である議会で徹底的に糾弾するというのが地方自治のあり方で、それを糾弾できない議員を落とすというのが本来の民主主義のルール。これが全く機能していないから国会がこういう議論をせざるを得ないということには問題があると思う。そういう残念なケースが生じた場合は、当然、現在の法律の中で、都道府県知事に対して一般的な是正要求はできる。それと同時に地教行法の中で知事に対して指導、助言、援助というのは四十八条でできる。今までより児童生徒のことを考えて必要な場合は総務大臣と協議し、少し従来よりは積極的に対応しなければいけないかなという印象を持っている」と語った。
 また国会での審議のめどが立ったら、総務大臣と話し合って的確に実施していきたい、との考えも明らかにした。
 さらに糸川議員が、中教審の三月十日の答申が「私立学校に関する地方教育行政のあり方については、今回の答申に基づく措置の状況などを踏まえつつ、今後更に検討を行っていくことが必要」と提言したことに触れ、私学行政の抜本的な転換を求めたのに対して、伊吹大臣は、「今のやり方で状況を見守り、未履修問題等が再び起こった場合は改めて国会の判断を仰ぎたい」と語り、再度の法改正も視野にあることを明らかにした。同時にそうならないよう地方議会は知事部局を見、私学は規範意識を持ち学校運営に当たってほしいとも語った。
 五月八日には参考人として、日本私立中学高等学校連合会の田村哲夫会長が学校教育法改正案に対する見解を明らかにした。田村会長は、私学関係者は学校評価の義務化に取り組まなければいけないと理解していること、ただし第三者評価に関しては、実施する仕組みが整っていないため、早急な実施による現場の混乱に懸念を表明した。
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