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記事2007年9月23日 2077号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
中学校の授業時数 年に35単位時間増加へ
主要教科の時間増加
朝の10分読書等も単位に計算
【教育課程部会】
 学習指導要領のあり方を検討している中央教育審議会の教育課程部会(部会長=梶田叡一・兵庫教育大学長)は、九月十八日、都内で部会を開き、前回の小学校に続き中学校の教育課程の枠組みなどを審議した。同部会内に置かれている中学校部会等の「検討素案」を審議したもので、中学校の授業時数については、選択教科に加え、総合的な学習の時間の導入で教育課程が複雑化しすぎているとの指摘があることなどから、選択教科の授業時数を縮減し、必修教科の教育内容や授業時数を増加することで、教育課程の共通性を高める必要があるとしている。そうしたことから、国語科については基礎的な知識・技能の定着などのために第二学年を中心に授業時数を増加。社会科に関しては、近現代を中心とした歴史学習、法学習、宗教等についての指導充実のため第三学年を中心に授業時数を増加。数学に関しては、小学校と中学校との接続を考えて第一学年を中心に時間をかけて指導ができるようにするとともに、第三学年を中心に授業時数を増加。理科に関しては、観察・実験の時間を十分確保し理科の面白さに触れさせるため、第二・三学年を中心に授業時数を増加。外国語に関しては、中学校修了段階で簡単な外国語でのコミュニケーションができるよう中学校三年間を通じて教育内容や授業時数を充実。保健体育についても三年間を通じて授業時数の増加が必要としている。
 その一方で、総合的な学習の時間については、三十五単位時間(週一コマ相当)の縮減が適当としている。年間では総合的な学習の時間を三年間で百五単位時間(週三コマ相当)縮減し、国語など主要教科を三年間で概ね二百単位時間(週六コマ相当)程度増加させるため、中学校三年間では百五単位時間(週三コマ相当)程度増加させる方針。増加する授業時数の確保策については、教育委員会や学校に多様な取り組みを求めており、朝の十分間等の読書活動やドリル学習を教科教育の一環として認める方針。単位の計算方法は今後検討する。部活動については、意義や役割を踏まえ、教育課程に関連する事項として、学習指導要領に何らかの記述を行う方針。また学校五日制は引き続き維持する。
 また検討素案では教育課程編成・実施に関する現場主義の重視も打ち出しており、いわゆる「はどめ規定」については趣旨の周知が不十分であるため、記述の仕方を改める。学習指導要領によらない教育課程編成を可能とする「構造改革特別区域研究開発学校制度」が全国展開されるため、新たな研究開発学校制度を創設する。ただし新制度は従来の制度の手続きを簡素化する程度の内容で、文部科学省が審査、文科大臣の承認が必要。

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