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記事2008年11月13日 2116号 (1面) 
日私中高連 創立60周年記念式典・祝賀会
私学の発展が民主主義を支える
69人に文科大臣表彰
祝賀会には国会議員ら多数出席

  日本私立中学高等学校連合会(会長=吉田晋・富士見丘中学高等学校理事長・校長)は、十一月十一日、東京・市ヶ谷の私学会館で「創立六十周年記念式典・祝賀会」を開いた。式典では、文部科学大臣による私立中学校高等学校教育振興功労者表彰が行われ、吉田晋会長ら六十九人が晴れの栄誉に輝いた。続いて開かれた祝賀会には私学団体代表らのほか、約七十人の国会議員や文部科学省、財務省、総務省から事務次官や局長ら多数が出席し、日私中高連の六十周年を祝った。

 式典では、吉田会長が式辞を述べたが、「私立学校はただ単に学校の土地や建物という有形なものにとどまるものではなく、むしろそこに学び、そこを卒業し、さらにそこを支える多くの人々によって構成される時間を超えた人的ネットワークにこそ存在意義の源がある。私学というコミュニティーが今後ともそれぞれ特色を競い合い、健全に発展することは民主主義の基礎を固めることに繋がると確信している。私たち私立学校は次世代に価値の基準を正しく伝えるという教育本来の任務を全うしながら、必要なときは自らが時代の風となり先導的な役割を担うのだという気概をいつも抱いている。創立六十周年はいわば新たなスタートラインに立ったということ」などと語り、改めて真の私学振興を目指す強い決意を表明した。
 これに対して来賓の塩谷立・文科大臣は、祝辞の中で、「我が国は将来にわたる持続的な発展のために様々な面で新しい取り組みや対応を求められている。未来を切り拓く原動力は人であり、我が国の未来は教育にかかっている。公教育の一翼を担う私学教育に対する国民の期待は誠に大きい」などとして、私立学校の発展のために更なる尽力に期待すると語った。
 また祝賀会では全私学連合代表の安西祐一郎・慶應義塾長が、祝辞の中で、「今世界の潮流が大きく変わろうとしている。日本を開いて持続的に成長させていくものは教育。その中心になるのが日私中高連だと認識しているし、そういうふうに念願している。日本の教育は私学によって成り立っている、私学のきめ細かい、質の高い教育がこれからの日本の教育の方向性を決めていく」と語った。さらに鳥居泰彦・日本私立学校振興・共済事業団理事長は乾杯の挨拶で、「先日、オバマ米国次期大統領が一人ひとりは違った物語を持っているが、最後の運命は一つだ、といわれた。一つひとつの中学校、高校の語る物語は違うが、最後の目的は同じ。最後の運命はひとつ。この気持ちで私学は歩んでいきたい」と語り、私学へのさらなる支援を要請した。日私中高連は昭和二十三年五月、私立学校も三分の一が空襲で校舎を消失、残った施設も罹災者たちの臨時宿泊所に転用されるなどの状況の中で創設された。


記念式典で式辞を述べる吉田晋・日私中高連会長

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