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記事2008年4月3日 2095号 (5面) 
新校長インタビュー (158) ―― 跡見学園中学高等学校
校長 山ア 一穎氏
自律し自立する女性目指す
常にプラス思考で



 跡見学園は明治八年、跡見花蹊氏によって「知性と情操豊かな女性を育成することによって、社会を変え、新たな時代を切り拓く人材を育てたい」を建学の精神に掲げ創立された。山ア一穎・跡見学園中学高等学校長(東京都文京区)は、「結局、机上の学問ではなく、創ること・読むこと・書くことの一体となった教育をしたいということがねらいです」と話す。
 山ア校長は就任してまず行ったことは、教師の授業を見、教職員との対話を通して中高一貫教育の意味を再確認しなければならないと考えた。そして、人間形成と学習の両面から考えた場合、同校は「保護者の付託に応えられているか否か」によって、中高一貫教育の真価が問われると考えた。そこで「自律し自立する女性を目指す」という目標を明確にした。
 「自律とは特に中学の段階で、基本的な生活習慣を確立させることであり、自立とは高校の段階で、自分の進路のライフプランを考えさせることを意味します」
 学力の遅れている生徒の基礎力をつけていくこと、特に中学一年の段階が重要だとし、四月から中学一年だけを三十五人学級とし、英語・数学・国語の補習を制度的に行うことにした。また、中間テストや期末テストの時期にも集中的に補習を行う。高校では一年から演習を制度的に行う。
 また、担任は四月中生徒への面談を行い、生徒のいい点を見つけ励ますという方針を確認している。
 山ア校長の教育に対する原点は、昭和三十七年に国語の教師として赴任した千葉県内の定時制高校にある。ここで、定時制の学生と接し、「常にプラス思考で考えなければだめだ」と悟った。現在、生徒には常に「がんばれ!」と言い続けている。
 「何のために勉強するのかを、生徒にきちんと教えることが大事です。勉強する意味は、心を強くし、体から心が離れないようにすることです」
 山ア校長は昭和四十五年、跡見学園女子大学(国文学科)に赴任。専門は特に森鷗外を対象とする日本近代文学。昭和五十三年から平成元年まで学長を務め、平成十年から十八年まで学長として、従来の文学部を改組し新学部新学科を設立するという大学改革に努めた。

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