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記事2008年5月3日 2098号 (5面) 
新校長インタビュー (159) ―― 自由ヶ丘学園高等学校
校長 若林 弘吉氏
自らの意思で行為できる人間の育成
教師は生徒と触れ合いで成長



 自由ヶ丘学園高等学校(若林弘吉校長、東京都目黒区)は昭和五年、自由主義教育を目標に創設された。
 「本校の基本的理念は、社会の一員として自らの意思で行為できる人間の育成です。この理念に基づいて、他人は理解できない存在であるという前提で、お互いに理解しようと努力する人格を育成することを教育方針に掲げています」
 若林校長はこう学校づくりの理想を話す。
 この教育方針の下で、生徒支援、進路支援、学習支援を教育活動の三本柱として据えている。このうち、進路支援では「自己理解(RECOGNIZE)、調査・研究(RESEARCH)、自己実現(REALIZE)」の三つのRで生徒の進路を支援している。それぞれ、一年「自己理解」では適性検査などでどの分野に興味や関心、適性があるのか知る、一〜二年「調査・研究」では興味や関心を持った分野を調べ理解する、三年「自己実現」では目標の実現に向かって各自対策を実行していく――。
 具体的には、上級学校体験講座・社会体験講座、各種適性検査、校内進路ガイダンスなどを通して、進路支援している。
 「三年間の高校生活で生徒の将来の進路を決めるのは難しいのですが、生徒がどのような生き方をしたいのか意識付けが大切です。教育の原点は人と人との触れ合いですから、先生方も生徒と触れ合いながら共に成長していこうとする気持ちが必要です」
 学習支援活動では、そのひとつとして「朝学習」を毎朝実施している。始業三十分前から個別指導形式で生徒は質問したり、練習問題の解答を繰り返し続けたりすることによって、苦手科目の克服や学力の向上を図っている。また、二十年度から設けられた「特進クラス」では放課後、スクールeステーションで、生徒と外部の講師が一対一で学習指導を行っている。そして、年二回、夏期・冬期休暇期間を利用した進学講座も進学希望者を対象に開校している。
 若林校長は昭和五十二年、理科(専門は物理)の教員として奉職、校長就任になる前三年間は副校長として学校全般をみていた。また同校の研修制度を利用して、修士課程と博士課程を修了。修士課程ではギリシャ哲学をはじめカント、ブーバーの哲学を学び、博士課程では寺子屋の研究を行っている。

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