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記事2008年9月13日 2109号 (2面) 
日短協 札幌で就職担当者研修会開催
就職決定率上昇したが雇用条件厳しいまま
介護は求人増顕著
 日本私立短期大学協会の就職問題委員会(委員長=中明夫・大阪成蹊短期大学理事長)は、平成二十年度私立短大就職担当者研修会を九月八日から十日までの三日間、札幌市の札幌ガーデンパレスで開催。事例報告や講演、カテゴリー別研修、グループ討議などが行われた。
 開会あいさつで中委員長は、「日本私立短期大学協会の秋の総会で、短期大学のあり方に関する報告書のなかに『職業教育を短期大学が担う』ことが盛り込まれる予定だ」と話し、「この研修会の目的の第一は、意見交換を各短大の就職指導に役立てること。二つめは短期大学同士のネットワーク作り。三つめは特に、今回の研修会で短大卒業生の処遇が不公平あるいは冷遇されているといった問題が浮上した場合、就職問題委員会で課題としたいと考えている」などと述べた。
 初日の事例報告「学生の就職意識の変化とキャリア教育」では近藤功・旭川大学女子短期大学部教授が、同短大では近年、県外からの求人が非常に増加しており、特に介護では顕著だ、保育については僻地からの求人が増えており、都市部からの求人もある、一方栄養は派遣事業者からの求人が増加している、しかし学生は地元志向が強く、就職先は地元のなかでも選別する傾向がある、などと話した。
 また、「平成十九年度私立短大卒業生の卒業後の状況調査報告」として宮元純孝・中村学園大学短期大学部事務局次長が報告を行い、全国平均の就職決定率(就職希望者/数就職決定者数)は九三・七%と前年より上昇しており、卒業生の進路状況に大きな変化はない、ただ求人・採用時期が早期化しており、雇用条件などは相変わらず厳しい、などと報告した。
 カテゴリー別研修では「企業」「幼・保等」「初任者」の三つに分かれて研修が行われたが、このうち「企業」ではキャリアコンサルタントの佐井省吾氏が「求められる人材とコンピテンシー面接の考え方」と題して講演を行い、面接官はコンピテンシー(人の能力)評価に際し、その人の過去の行動を聞く、従来の面接ハウツウ本に書かれているようなことは通用しない、などと話した。
 二日目は「学生理解とカウンセリング」と題して亜細亜大学学生センターカウンセラーの中根伸二氏が講演した後、「就職・進路指導のあり方」についてグループ討議が行われた。
 三日目は、カテゴリー別研修の報告が行われた後、講演「就職指導に役立つ会社四季報の見方・使い方」を東洋経済新報社の田北浩章・「週刊東洋経済」編集部長が行った。
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