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記事2008年9月13日 2109号 (4面) 
新校長インタビュー (165) ―― 恵泉女学園中学・高等学校
校長 佐伯 幸雄氏
「聖書・国際・園芸」を柱に
教職員との信頼関係重視



 恵泉女学園中学・高等学校(佐伯幸雄校長、東京都世田谷区)の校門を入ると、花壇がきれいに整理されており、落ち着いた雰囲気を醸し出していた。佐伯幸雄氏は今年四月校長に就任した。「一年間は、(教職員や保護者などの)話を聞くことに徹します。その上で、本校にどのような課題があるかを見極めるつもりです」と慎重だ。
 同校は「聖書・国際・園芸」の三つの柱を教育の基盤に掲げている。全学年通し週一時間の「聖書」の授業と毎日三十分の礼拝を通して、聖書からのメッセージを読み取る力を身につけ、自分・社会・人生への新しい視点を見つけることを目標に置いている。
 「国際」の柱では、「世界平和の実現に向け、責任ある行動をとれる人を育てたい」との願いの下に、異文化を尊重し、文化・習慣の違う人々と協力して、ともに生きる大切さを学ぶことを目標としている。
 創立当初から教育の柱の一つに「園芸」を置いている。花壇で草花を、校内と近隣にある畑で野菜などを育て、生命の尊さ、働く喜びを体得し、生きる力をはぐくむ。一年で、ジャガイモ、ダイコン、キノコ、イチゴ、ハーブなどを栽培している。
 また、中学・高校の六年間を前期(中学一・二年)、中期(中学三・高校一年)、後期(高校二・三年)の三つに分け、生徒が自分でふさわしい教科を選択できるようなカリキュラムにし、ほぼ全員が大学を目指している。
 佐伯校長がいま重視しているのは、教職員との「信頼関係」だ。「まず、教職員とのコミュニケーションを通して信頼関係を築きたい。先生方には人格の面と専門性をしっかり身につけてほしい」と教職員に大いに期待をかけている。
 佐伯校長は同志社中学二年の時に終戦を迎え、キリスト教とのかかわりが始まった。杉並教会で二十二年間、同志社教会で二十六年間、牧師として勤務した経歴を持つ。そこで、コミュニケーションの大切さを獲得した。「『命の電話』では相手の悩みを引き出し、相手の気持ちが分かるようになるまで聞くことが仕事だった」と振り返った。
 牧師として、『賛美歌』の編集に四十年間携わってきた。「忙しかったが、楽しい経験だった」と語った。

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