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記事2009年12月3日 2155号 (2面) 
社会人学生受け入れ拡大策等を協議
細かな需給バランス検討などが課題に
中央教育審議会の審議動向
大学規模・大学経営部会

 中央教育審議会・大学分科会の大学規模・大学経営部会(部会長=金子元久・東京大学大学院教育学研究科教授)は十二月一日、文部科学省内で会議を開き、大学の社会人受け入れの推進策について協議した。大学分科会が六月に出した第一次報告の中でも、十八歳人口の減少に伴い、大学が多様なニーズを持つ者を対象とした教育機関へ転換することが提言されている。しかし、大学入学者のうち二十五歳以上が占める割合(平成十七年)は、OECD平均が二〇・六%に対し、日本は二・〇%と低い水準にとどまっている。大学学部への入学者数は平成十三年度をピークに減少傾向にある。事務局からは@受け入れ方針の明確化A学習成果の適切な評価B産業界との連携・協力C経済的負担の軽減策―などが検討課題に挙げられた。社会人の受け入れが伸び悩んでいる状況に対し、委員からは「大学や大学院で学んだ社会人が制度的に優遇されるシステムがない限り、社会人入学は増えないのではないか」「大学側はもちろん、需要側である社会や企業の改革もパラレルに進めなくてはならない」と社会の構造的な問題を指摘する意見がある一方で、「企業のニーズを大学側が把握する必要がある」「各分野によってどの程度受け入れているのか細かい検討が必要」など需給バランスの検討が課題として挙げられた。
 また「地方の中小規模の大学や短大に自助努力だけを期待しても難しい。国、地方自治体レベルで、地域の学習支援のスキームを考える必要がある」と指摘する意見もあった。

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