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記事2009年3月13日 2130号 (6面) 
ユニーク教育 (186) ―― 聖徳大学附属聖徳中学校・聖徳高等学校
箏曲部が好評だった曲披露
建学の精神「和の心」を実践

 聖徳大学附属聖徳中学校・聖徳高等学校(佐々木尊弘校長、茨城県取手市)は同校の箏曲部(顧問=生村伸子教諭)主催で二月二十二日、柏市・アミュゼ柏クリスタルホールで「第十一回KOTOコンサート」を開催した。会場には教職員や地域の住民が多数詰めかけ、生徒たちにとっては貴重な発表の場となった。
 同校は、聖徳学園の建学の理念「和」の精神の下に、礼節を身につけた清らかな気品、豊かな知性と情操を兼ね備え、進んで社会に奉仕する女性の育成を目指している。この精神に基づいた教育は、礼法、書道などの取り組みに表れている。その中でも、礼法授業は開校以来正課として行われており、学校生活全般にわたって礼法の実践を行うように指導を行い、同校ならではの教育を行っている。礼法授業は室町期以来の武家礼法である小笠原流を基盤に、現代にも生かせる作法を選び、カリキュラムを作成している。日本文化への理解を深め、豊かな人間性を身に付けることができる。同学園が目指す教育の根本は、他者への思いやり、いたわる心にある。そのため、礼法には、まごころや慎みといった礼の心を学びとってほしいという願いが込められている。
 箏曲部の活動も「和の心」を実践する活動として最も注目されている。平成二年に箏曲クラブとして発足以来、種々のコンクールで賞を獲得する一方で、国民文化祭邦楽部門の前夜祭への出演をはじめ、取手市の賀詞交換会や祝賀会、取手ライオンズクラブの総会など、地域のイベントにも出演するまでになっている。今年度は、高校生が八月に群馬県太田市で開催された全国高等学校総合文化祭に出場した。また、中学生は、十一月福島県いわき市で開催された第二回八橋検校日本音楽コンクール中学生以下アンサンブル部門で一位に輝いている。
 十一回目を迎えたKOTOコンサートは、新たな出発として、過去十回のコンサートに寄せられたアンケートの中から好評だった曲を中心に選曲された。
 この日披露された曲は、「OKOTO」「琉球民謡による組曲」「早瀬」「かさじぞう」「White Dream〜白の大地」「北国雪賦」「風の魔術師」「町へ」「迦樓羅」の九曲。「かさじぞう」については生徒は「スクリーンで画像が流れるので、曲のテンポに合わせるのが大変だったが、準備が楽しかった」と言う。箏、十七絃(げん)、尺八によって物語が展開される様子がよく表現されていた。語り部は森章教諭が行った。最後の「迦樓羅」は、全国高等学校総合文化祭のために練習した曲で、生徒たちは「難しい曲で、曲のイメージ作りの勉強もした」と言う。
 また、「風の魔術師」は卒業生のメンバーが中心の邦楽アンサンブル彩音が演奏、「町へ」は古典から現代音楽まで幅広く活動している坂田梁山氏が尺八で出演した。
 部員たちにとっては、小・中学時代に客席で聞いていた曲や懐かしい思い出の曲、憧(あこが)れの曲などさまざまな思いが感じられたに違いない。参加部員二十六人の輝いた一日だった。

日頃の練習の成果を発揮した部員たち

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