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記事2009年3月13日 2130号 (5面) 
新校長インタビュー (177) ―― 法政大学中学高等学校
校長 牛田 守彦氏
総合的な基礎力が必要
キャリア・クリエーションで養う


 法政大学中学高等学校は平成十九年、武蔵野市・吉祥寺から現在の緑豊かな環境に包まれた三鷹市に移転するとともに男女共学にした。
 「大学付属校だということだけで、大きな魅力となる時代ではありません。高い知性と、異なる意見や立場の人とコミュニケーションをとり、人間関係を構築して行動できる総合的な基礎力が求められていると思います」と牛田守彦校長は力を込める。
 共学を含むさまざまな改革は、法政大学付属校としての歴史と伝統の上に、新たな価値を加えようとするものだ。その方針に基づく「キャリア・クリエーション」は、「生涯にわたって自分を変えていける力、自分の可能性にチャレンジできる基礎力を養うためのもの」(牛田校長)だ。大学進学だけではなく、将来にわたって夢を追求していける力をつけようということだ。その具体例が大学の授業の先取り、高度職業人を意識した講座、社会人学など自分を磨くことのできる講座などの展開だ。
 新しいカリキュラムにして今年で三年目を迎えた。六年間で確かな基礎学力を身につけるために、同校ならではの独自の「二 ― 二 ― 一 ― 一 システム」を導入している。中学一、二年を「ファーストステップ」とし、学習習慣の確立、自宅学習の仕方、人間関係の基本的な常識の獲得など、人として生きていく上で基本となることを定着させる。中学三、高校一年を「セカンドステップ」とし、主体的に学ぶ楽しさをはぐくむ。高校二年を「高度教育プログラム(1)」と位置付け、選択授業でサイエンス・プログラム、ヒューマニティズ・プログラム、インターナショナル・プログラムの三コースから一つを選ぶ。高校三年を「高度教育プログラム(2)・高大連携プログラム」と位置付け、大学進学後につながる学びを展開している。法政大学の学部の授業を高校三年生が聴講でき、高校の単位として認めていると同時に、進学後学部の単位としても認定している。
 同校の卒業生の八五%以上が、法政大学へ進学している。また、「同大学への推薦権を持ちながら、国公立大学や他私立大学への受験もできるのが強みといえる」(牛田校長)。
 牛田校長の専門は社会科(歴史)。ライフワークは、武蔵野地域への空襲と戦争遺跡の調査、研究。
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