こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2009年8月13日号二ュース >> VIEW

記事2009年8月13日 2145号 (1面) 
文科省が地方教育費調査中間報告公表
公立学校に使われた教育費 私学と比べ数倍の公費投入
生徒1人中等教育学校は192万円

 文部科学省は八月四日、「平成二十年度地方教育費調査中間報告」を公表した。この調査報告は、平成十九会計年度中に都道府県および市町村教育委員会が大学、短大を除く公立学校に支出した経費、社会教育費、教育行政費等をまとめたもの。
 それによると全国の公立学校のために支出された学校教育費は総額で約十三兆八千七十二億円、前年度に比べ〇・一%減少していた。学校教育費は就学人口の減少などから平成九年度以降、減少を続けている状況。平成十五年度以降は学校教育費の減少率は鈍化傾向。
 公立学校に支出された学校教育費を学校種ごとに在学者一人当たりでみると、幼稚園が園児一人当たり換算で七十一万八千三百七十九円(前年度比二・五%増)、小学校が八十九万二千六十四円(同〇・三%増)、中学校が百三万六千三百四十二円(同〇・二%増)、特別支援学校が八百三十九万九百八円(同二・三%減)となる。高校では、全日制課程が百十九万一千百四十円(同一・九%増)、定時制課程が百七十九万二千九百五十九円(同五・〇%増)、通信制課程が二十五万六千六百四十八円(同九・二%減)。
 高校は義務教育のように無償ではなく、授業料があるため、学校教育費の中には授業料収入が含まれている。例えば全日制課程の場合、約百十九万円の教育費には約十二万円の授業料が含まれているため、公費支出額は生徒一人当たり百七万円ということになる。高校の授業料が私立高校と比べて極めて低く抑えられているのは、税金(公費)を投入しているから。
 私立高校に投入されている公費は生徒一人当たり三十万円程度と公立高校の三分の一から四分の一程度のため、初年度納付金で六倍近い開きが生じている。高校が準義務教育となっている中で、私学関係者らは格差是正の実現を求めている。
 また中等教育学校は百九十一万八千八百二十七円(同六一・七%増)で、中学校、高校全日制を百万円近く上回っている。中等教育学校の学校教育費は前年度に比べ極めて大きな伸び率となっているが、学校数自体が少ないことから校地の取得や校舎の建設費の増減で大きく変動するため。
 専修学校は百四十七万四千四百十五円(同〇・三%増)、高等専門学校は百八十七万五千三百五十三円(同一二・六%減)という状況だった。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞