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記事2009年9月23日 2148号 (2面) 
栃木県で進む 私学助成大幅削減
平成22年度から実施へ
私立小で補助金40%削減

 財政再建を進める栃木県は今年五月、歳出の思い切った削減策を盛り込んだ「とちぎ未来開拓プログラム(試案)」を公表した。当初の計画よりも少し遅れて十月にも確定版のプログラム(平成二十一―二十四年度)を決定する予定だ。
 この中では、私立学校関係予算についても大幅削減を計画しており、私立高校経常費補助金については、県単独の上乗せ分(生徒一人当たり一万一千五百円)を二十二年度から廃止、補助単価を三十万一千円とする予定で、削減率は三・七%となる。私立高校の削減率はまだ一けた台だが、中学校の削減率は二九・七%、二十二年度の補助単価は前年度比九万七百円減の二十一万四千五百円。小学校に至っては、削減率三九・八%で、同十二万一千円減の十八万二千六百円の補助単価となる。幼稚園は、県の単独上乗せ分一万一千五百円が削減されて二十二年度からは園児一人当たり十六万七千円となる。
 そのほか私学関連予算は数多く削減の予定だ。
 私学経常費補助金の削減は「民間との役割分担」、つまり民間にできることは民間に任せよう、県では県にしか担えない役割に重点化するとの趣旨で実施される。しかし財政再建を行うのであれば、私立学校より経費のかかる公立学校を縮小し、私立学校を増やした方が効果的。栃木県は、「小中学校は義務教育で、公立学校の全入が保障されてるから大幅な見直しを行った」とし、国の財源措置額を大きく下回る全国最低ラインにまで引き下げ、高校に関しては、「県高校教育の一翼を担っている」からとして国の財源措置水準は保つとの考えだ。
 先の三位一体改革では多くの地方自治体が税源移譲の中で地方交付税措置の大幅削減を受け、財政状況を悪化させた。そのため私立義務教育に関しては、厳しい財政措置が打ち出されることが多いが、財政再建を実効あるものとするには私立学校を振興する方が早道といえないだろうか。

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