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記事2010年10月13日 2184号 (3面) 
新校長インタビュー(206)
普通科をイメージアップ 21世紀に対応できる工業科を目指す
大森学園高等学校 校長 畑澤 正一氏
 大森学園高等学校(畑澤正一校長、東京都大田区)は昭和十四年、大森機械工業徒弟学校として創立され、その後改革を経て、平成十七年には普通科を設置し、大森学園高等学校となる。平成十九年には普通科が共学となり、二十二年三月に女子の一期生卒業生が誕生した。
 「工業高校として、六十数年の歴史をもちますが、従来の普通科のイメージアップを図り、本校の普通科をアピールできるような学校づくりを目指していきたいと思います」と畑澤校長は意欲的だ。生徒がいろいろな分野に羽ばたいていけるようにすると同時に、進学実績を上げていく方針だ。
 普通科では、ゼロ時限目に英語のリスニングを十五分間学習する。放課後・日曜・休日の受験対策講習、三年次には二十一にもなる選択科目の講座を開講している。また、総合学習は文系が「あらゆる視点でものごとを考える」をテーマに、コミュニケーション能力の育成を、理系が「ものづくりの楽しさ」を通して、プレゼンテーション能力を養う。
 また、「純粋に工業科で勉強したいという生徒は本校では増えてきていますが、二十一世紀に対応できるような新しい工業科を目指したい」と語る。
 工業科では、就職や進学に役に立つ資格取得に力を入れている。「資格取得のために、三週間から一カ月かけて集中的に講習を行います。資格を取ることによって、生徒は達成感がわき、自信を持つようになります」と畑澤校長は言う。
 同校の「ものづくり」の精神は、伝統的にボランティア活動として表れている。老人ホームでの「車いすのメンテナンス」、壊れたおもちゃを直す「おもちゃの病院」、高齢者のための「インターネット教室」などの活動は、全国的に知られている。また十年ほど前から行っている「空飛ぶ車いす」では、使われなくなった車いすを東南アジア諸国に贈っている。
 また、これからの時代に対応できるように、教員の意識を変えるために、できるだけ多くの研修会への参加を奨励するとともに、教員対象の講演会も行っている。地域のイベントへの積極的な参加、中小企業から人を招き話を聞く機会などを設けている。地域に開かれた学校を推進しているからだ。
 畑澤校長は、昭和五十年から同校に勤務。六年間の教頭職を経て現職に。専門は社会科。


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