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記事2010年12月3日 2189号 (1面) 
中教審特別部会 教員の資質能力向上で審議経過報告案審議
教育免許は修士レベルに
学士課程修了者は暫定の「基礎免許」
 中央教育審議会の「教員の資質能力向上特別部会」(部会長=田村哲夫・渋谷教育学園理事長)は、十一月三十日、都内で第七回会合を開き、過去六回の自由討議等を基礎に作成した「審議経過報告案」について審議した。審議経過報告案は田村部会長、安西祐一郎副部会長らが中心となってまとめたもの。全体で十五ページ。教員養成の在り方、教員免許制度、採用と学校現場への多様な人材の登用、現職研修等、教育委員会・大学等の関係機関の連携・協働、当面取り組むべき課題に言及している。このうち教員免許制度に関しては、教員養成の修士レベル化について今後検討すること、その上で学士課程修了者には当面、暫定的資格「基礎免許状(仮称)」を付与し、教員に採用された後、必要な課程等を修了すれば修士レベルの資格「一般免許状(仮称)」を付与することを検討すること。様々な課題が指摘されている専修免許状に代わって、一定の専門性を公的に証明する「専門免許状(仮称)」創設を検討する。専門免許状の区分については、例えば、学校経営、生徒指導、教科指導、特別支援教育、ICT教育等が考えられる、としている。教員免許更新制については、教員が教職生活の全体を通じて自発的かつ不断に専門性を高めることを支援する新たな制度への移行も視野に入れて検討を進めること、その際、専門免許状との関連、十年経験者研修との関係整理などの検討も必要としている。また小、中学校の教員免許を合わせて「義務教育免許状」とすることや、中、高校の「中等教育免許状」の検討も指摘している。
 大学等における教員養成には厳しい指摘を行っており、教員養成に係る課程認定審査等を厳格化するとともに、事後評価システムを強化し、質の保証を図ることが必要としている。
 審議経過報告案には委員から、「公立校に関してならこの報告案を納得するが、私立校に関しては別の観点から見てもらいたい」、「短大の在り方に触れた方がいい」「(審議経過報告の中で)大学・短大の(教員養成)にノーと言うなら、その理由を丁寧に説明すべきだ」といった意見が出された。また「教員免許発行数を三、四万人に収斂させるべきだ」「免許を得ても教員にならない人は多い。それが教員免許状の社会的信用度を下げている」「高校に教員免許状は必要か」といった意見が聞かれた。十二月中旬に再度審議経過報告案の検討を行い、十二月中にまとめる予定。
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