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記事2010年4月23日 2168号 (1面) 
学校教育の情報化へ第1回懇談会
デジタル教科書や校務支援など検討
6、7月に「ビジョン骨子」とりまとめ
文科省

 文部科学省の鈴木寛副大臣は、四月二十二日、同省内で「学校教育の情報化に関する懇談会」の初会合を開いた。社会の急速な進展に伴い、今後の学校教育(初等中等教育段階)の情報化に関する総合的な推進方策を検討するのが目的。
 具体的には、@授業におけるICTの活用(デジタル教科書・教材、情報端末・デジタル機器、学校・教員等の在り方を含む)AICTを活用した校務支援BICTの活用に関する教員へのサポート等を検討する。
 委員は二十二人。大学の研究者をはじめ、出版社、書店、新聞社、テレビ局における情報担当者や、地方自治体の首長、教育委員会関係者、学校長など幅広く専門家が集められた。冒頭、挨拶に立った鈴木副大臣は、「二十一世紀の学びを再構築したい。今後はヒアリングも行い、六月、七月を目途に情報化ビジョンの骨子、枠組みを取りまとめて、平成二十三年度概算要求に反映したい。その後は具体的課題に沿ってワーキンググループを設置し、年度内に結論を出してほしい。政府全体のIT戦略とも整合性を取りたい。十五年ぶりにコンセプトやパラダイムを考え直していく」と語った。懇談会座長には鈴木副大臣が安西祐一郎・慶應義塾大学理工学部教授を指名。安西座長は副座長に三宅なほみ・東京大学大学院教育学研究科教授を指名した。
 初会合では、出席した委員が学校教育の情報化への問題意識や提言等を述べた。
 我が国の情報化が韓国やシンガポール等と比べて大きく立ち遅れている現状の指摘や、その一方で従来の授業スタイルをあまり崩さない範囲でICTを導入すべきで、教員の使い良さを考えないと活用促進に繋がらない、教育クラウドによる校務支援システムは不可欠、教育版の一括交付金方式で整備してほしい、デジタル時代の教育を責任を持って進める専門機関が必要といった意見が聞かれた。
 五月中に第二回と第三回懇談会が開かれるが、情報機器のメーカーからの意見聴取等が非公開で行われる。

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