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記事2010年4月3日 2166号 (2面) 
法令で義務付けへ 卒業認定基準等の情報公開
審議経過報告をまとめる 中退率は対象外に
中央教育審議会の審議動向
大学分科会質保証システム部会

 中央教育審議会・大学分科会の質保証システム部会(部会長=黒田壽二・金沢工業大学学園長・総長)は三月二十九日、文部科学省内で会議を開き、教育情報の公表の促進について、収容定員、卒業認定基準などの情報公開を法令で義務付けることが適当とする審議経過報告をまとめた。
四月下旬に開かれる大学分科会へ報告するほか、パブリックコメントにもかけられ、近く法令改正が行われる予定。
 公開の義務付けの対象としては、@学部、学科の収容定員、入学定員など基本的な組織に関する情報A教員数、教員一人当たりの学生数など教員に関する情報B授業科目、授業の方法、一年間の授業計画など教育課程に関する情報C修業年限、卒業に必要な単位数など卒業要件等に関する情報D入学に関する基本方針、入学者数、在学者数、卒業後の進路など学生に関する情報E学生納付金に関する情報Fキャンパスの概要など学習環境に関する情報G学生支援と奨学金に関する情報―が挙がっている。
 当初議論に挙がっていた「中退率」が義務付けの対象から外された点について、黒田部会長は「保護者の学費負担能力が無くなったために中退する割合が高い現状で、数字だけを取り上げるのは問題が多い」と説明した。
 教育力の向上の観点から公表が求められる情報については、義務付けはしないものの、法令により努力義務を定める。対象としては、どのようなカリキュラムでどのような知識・能力を身につけることができるのかという教育課程を通じて取得が期待される知識・技能の体系や、教育改善への取り組み、特色ある教育研究活動などが挙がっている。これらの情報公開は、GPなど各種競争的資金の申請の際の要件とする意向。また、海外発信の観点から公表が望まれる情報については、各大学の戦略に委ねられる。

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