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記事2010年7月23日 2177号 (5面) 
新校長インタビュー 201
和洋九段女子中学・高等学校
校長 伊藤  茂氏
教員は「分かる授業」を大切に 地道な努力で生徒は化ける
 和洋九段女子中学・高等学校(東京都千代田区)の伊藤茂校長は「生徒が、勉強が分からないことを、生徒のせいにしてはいけないと思っています。教師の教え方が悪いからです。教師はこれくらいでいいだろう、…という慣れが一番よくないのです」と強調する。
 同校は「先を見て齊(ととの)える」を校訓に掲げ、進学指導の強化、国際化教育の推進など五項目を重点に教育に取り組んでいる。ここ数年、高校では大学入試に対応した七、八限授業の実施、教員による個別指導、卒業生の個別指導(SASスタディー・アドバイザー・システム)など、生徒の学力向上のためになることは実行してきた。その甲斐があって、平成二十一年度は難関大学といわれるような大学への合格者が大幅に増加した。
 「根拠よく地道な努力を続けてくると、生徒は化けます。机に座って勉強する習慣が身につけば、ある時『分かった』『こういうことだったのか』という気づきが必ず来るものです。これが目覚めた瞬間です。この喜びによって、生徒は自信を持つようになります」と伊藤校長は語る。
 「教員全員が常に『分かる』授業を大切にしています。そのために、教員が内外で研修を行う際には、全面的に支援を行っています」と教員の研修会には、特に力を入れていると語る。
 国語の授業では、声に出して文章を読ませ、答えは必ず文章の中にあるということを、諭す授業を行った。
 結局何回も読むことになるが、生徒は内容を理解し答えを出す。授業の方法は、小学校でも、中学・高校でも「教員は勉強の仕方を教えることが仕事で、根本は変わりません」と伊藤校長。
 読んで感動した本は『オシムの言葉』(集英社)。「厳しさの根底にある人間に対する思いやりの深さ、驚くほどよく人を見ている。こんなことができるのかと思うと同時に、才能の違いはあるのでしょうが、努力をすれば人はここまでできるのだということを、教えてくれる素晴らしい本」と薦めている。また、『修身教授録』(森信三著 致知出版社)は、修身の授業の講義録を二年分まとめたもので、伊藤校長の人としての生き方、授業に対する考え方の支えになったと言う。
 昭和五十四年国語科の教員として赴任。教頭を二年間務めたのち校長へ。サッカーが好きで、パソコンを組み立てることが趣味。東京都出身。
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