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記事2011年11月23日 2222号 (2面) 
文科省私学助成課長が来年度概算要求など説明
私大振興協会が秋季総会
ノンフィクション作家保阪正康氏の講演も
日本私立大学振興協会(会長=北元喜朗・北陸大学理事長)は十一月十一日、東京・市ヶ谷の私学会館で今年度の秋季総会を開き、諸報告と二つの講演が行われた。加盟大学から約二十人が参加した。文部科学省高等教育局私学部の森田正信・私学助成課長は、今年度の第三次補正予算や来年度概算要求を中心に、私学助成等について話した。森田課長は、大学改革が、政府の行政刷新会議の「仕分け」対象になっていることに触れ「私立大学は日本の高等教育の八割を担うという公的役割を果たしている。それにもかかわらず、私学助成の比率はわずか一〇%にとどまっており、公的支援は諸外国に比べて極めて低い水準となっていることを訴えていく必要がある」と述べた。さらに「私立大学は、多様で重層的な機会の提供、地方の高等教育機会の保障に重要な役割を果たしていることも訴えていく」と話した。
 続いて、昭和史をテーマとした著作で知られるノンフィクション作家の保阪正康氏が「実学と虚学―学びは人をどう変えるか」と題して講演を行った。保阪氏は、実学とは、社会で生きていく上で有用な学問、虚学とはすぐには役に立たない学問と定義づけ、自身がテーマとしている昭和史の分野では、ジャーナリズムとアカデミズムとが拮抗しており、聞き取り調査を行うジャーナリズムと資料の検証を行うアカデミズムとが、融合・循環していることを紹介。また、自身が行ってきた聞き取り調査や、大学で教える中で聞いた生の声と、そこから学んだものなどを語り、「生きているということは、実学を積むこと、研さんを積むことで、虚学の中からは実際の事物は見えてこないのではないか」と締めくくった。
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