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記事2011年2月13日 2195号 (1面) 
大阪私中高保護者連合会 大阪私学振興大会を開催
公私の切磋琢磨重要
私立中学校の経常費助成充実要請
大阪府私立中学校高等学校保護者会連合会(松川伊三会長)は、二月三日、大阪市中央区のNHK大阪ホールで「平成二十三年大阪私学振興大会」を開催した。この大会は、同連合会が大阪府の平成二十三年度予算決定を前に橋下徹知事や大阪府議会の私学振興議員連盟所属の議員らに公費支出の公私間格差の是正等を訴えるために開いたもの。会場には私立中学高校の保護者ら約千四百人が出席した。大阪私立中学校高等学校連合会(会長=平岡正巳・清風南海中学・高校長)が協賛した。
 この中で冒頭、挨拶に立った松川会長は、私立高校に関して今年の入学生から授業料支援補助金を拡充し年収六百十万円未満の世帯の生徒について授業料を実質無償化し、年収八百万円未満の世帯の生徒については授業料負担を年額十万円に抑える支援策を打ち出したことに感謝しながらも、今回の制度で私学独自の特色ある教育、充実した教育環境の維持が困難になる学校が出てくる恐れがあるなどとして、私立小・中学校の経常費助成の削減中止、充実等を府と府議会に要請した。
 また平岡会長は二十三年度からの保護者への授業料支援策の拡充に感謝しつつも、「大阪府の税収入は一千億円の増収で、府職員の人件費も復元されると聞いている。府の人件費に合わせ私学の経常費助成が削減された。もし府職員の人件費が復元されるなら是非、私立小・中学校の経常費助成も復元してほしい。経常費補助と我々の学園の教育力は密接に関係している。経常費補助が復元されれば、なお一層我々の教育力は増強され、保護者の皆さんの期待に応えるべく全力で努力することを誓いたい」と述べた。
 この日は公務のため橋下知事は欠席したが、代わって綛山哲男副知事が知事の挨拶を代読した。その中では「大阪が将来にわたって成長していくためには次世代を担う子供たちの教育という未来への投資が重要。公私の競争条件を整えることにより、公私トータルで大阪の教育の充実、質の向上に取り組んでいく」との考えを改めて強調した。
 また府議会の長田義明議長は、「教育条件の維持向上、保護者負担の公私間格差の是正、経営の安定化等の推進に引き続き全力を挙げて取り組んでいきたい」との考えを明らかにした。続けて府議会私学振興議員連盟の横倉廉幸会長は、「新しい施策はベストで出すのは難しい、最初はグッドかべターから始め、皆さんのいろいろな意見を聞きながらよりベストに近い施策に作り上げていきたい」と語った。最後に私立中学校の経常費助成の削減中止や公費支出の公私間格差解消の実現を求める「要望」を保護者ら全員で採択、その場で松川会長から団体要望署名綴が副知事と府議会議長に手渡された。両名とも二月議会での検討・議論を約束した。


約1500人の保護者や私学関係者らが出席して開かれた大阪私学振興大会(NHK大阪ホール)




私立中学校経常費補助全国で最下位に

 大阪府の橋下知事が全国的に例のない私立高校授業料支援策を打ち出したことについて保護者団体代表、私立学校団体代表は感謝の意向だが、その実現のために私立小学校、中学校に対する経常費補助金が大幅に削減されてきており、平成二十三年度には中学校の場合、国から大阪府に生徒一人当たり約三十万円の財源措置があるが、大阪府から私立中学校への経常費補助は全国最下位の約十七万八千円になる見通し。私立学校関係者はもろ手を挙げて喜べる状況ではない。


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