一般財団法人日本私学教育研究所（吉田晋理事長、中川武夫所長）は昨年十二月十一日、東京・市ヶ谷の私学会館で「私立学校初任者研修地区運営委員全国会議」を開催した。私立小学校、中学・高校の新規採用教員等を対象に平成二十四年度中に全国十四地区（カ所）での初任者研修地区研修会の運営担当者らが集まり、研修会の成果や課題、来年度の日程や内容等について協議した。
　同研究所の山路進主任研究員によると、二十四年度は全国の初任研地区研修会では千五百十九人が、二度の全国研修会を含めると合計で千六百十八人が参加したことが分かった。地区研修会では参加予定人員に対する参加率は一一〇・一％だった。ただし初任者研修の対象者数は二十四年度で二千三百九十三人で、参加率は六三・五％となり、今後更なる教員の参加が期待されている。
　各地区の初任研では私学人としての心構えやカウンセリング、学習指導、人権教育、ビジネスマナー、私学を取り巻く現状と課題等をテーマにした講義、グループワーク、集団行動訓練（ヨット操船講習と実習）などが行われていた。また、学校の異なる教員同士の経験交流も盛んで、生徒指導や保護者対応など参加した教員からは極めて有意義だったとの感想が寄せられている。同研究所では初任研実施に当たって、私学の教員は私学人が育ててほしいと考えており、公立学校から私学に移った教員も私学人としての意識が必要だとしている。同研究所では初任者研修等の在り方について現在、委員会で検討を進めており、二十五年度中にはまとめを行う予定にしている。