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記事2013年1月23日 2261号 (1面) 
大阪市立桜宮高校での体罰問題を議論
中教審初等中等教育分科会
委員からは厳しい指摘、慎重な対応求める声も

 中央教育審議会初等中等教育分科会(分科会長=小川正人・放送大学教養学部教授)は一月十七日、文部科学省で、第六期中教審としては最終の分科会を開き、大阪市立桜宮高校における体罰による生徒自殺問題や、第七期の初等中等教育分科会に申し送る内容等を協議した。この日の分科会では、体罰による生徒の自殺問題に関して、同省から事案の概要や大阪市等の対応が説明され、その後、委員による審議が行われた。委員からは「学校や教育委員会の発言は言い訳にしか聞こえない。二度と起こさないためにはどうするか、本気で考えないといけない。学校教育法第十一条に規定する児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方で、配慮の下に行われる限り、状況に応じ一定の限度内で懲戒のための有形力の行使が許容される、という昭和六十年二月二十二日の浦和地裁の判決を文部科学省はなぜ提示しているのか」「教育行政は隠(いん)蔽(ぺい)体質、極めて民主的ではない。子どもの人権への配慮が少ない」「(部活動の)勝利至上主義を正すべきだ」「これは体罰ではなく、暴力だ。(問題が)起きたときの対応等も練る必要がある」といった体罰を厳しく糾弾する意見が聞かれた。その一方で、公立学校関係者からは、「多面的な見方が必要だ。(あまり厳しくすると)学校にかなり委縮した指導が蔓(まん)延(えん)する。それが校内暴力につながる。副作用も考え慎重な対応をしてほしい」といった意見も聞かれた。次期分科会への申し送りに関しては同省のまとめた簡単な内容について大きな異論はなかったが、委員からは、高校での部活動の在り方や秋入学について議論してほしいなどの意見が出された。
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