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記事2013年3月23日 2267号 (1面) 
平成24年度私大等経常費補助金交付状況公表
私大等881校に約3,239億円交付 私学事業団
私大学生1人当たりの補助額は16万円
補助率は23年度で10・5%と低迷 経常経費に占める
 日本私立学校振興・共済事業団(河田悌一理事長)は、三月十四日、平成二十四年度私立大学等経常費補助金の交付状況を公表した。それによると、平成二十四年度交付額は総額で三千二百三十八億七百七万二千円、交付学校数は、私立大学五百六十校、私立短期大学三百十八校、私立高等専門学校三校の合計八百八十一校だった。残る大学四十七校、短大三十三校は、「設置後完成年度(標準修業年限)を超えていない」、あるいは「募集停止」、「申請がない」等を理由に不交付となった。

 私立大学等経常費補助金は、私立大学等の教育研究条件の維持向上、学生の修学上の経済的負担軽減、私立大学等の経営の健全性向上のために国が同事業団を通じ私立大学等の経常的経費に対して補助しているもの。
 同補助金には教職員数や学生数等に所定の単価を乗じて算出された基準額に関して教育研究条件の状況に応じて傾斜配分する「一般補助」と、教育研究に関する特色ある取り組みに応じて配分する「特別補助」があり、管理運営不適正等の学校法人については状況に応じて不交付あるいは減額措置が取られる。
 私立大学に関しては、六百七校中五百六十校に三千一億五千七百六十七万九千円が交付された。一校当たりの補助額は五億三千五百九十九万六千円、学生一人当たり補助額は十六万円(国立大学では約二百万円)にとどまっている。
 私立短期大学に関しては、三百五十一校中三百十八校に二百三十一億二千九十五万四千円が交付された。学校一校当たりの補助額は七千二百七十万七千円で、学生一人当たり補助額は十七万三千円だった。
 私立高等専門学校に関しては、全三校とも補助金が交付されており交付額は五億二千八百四十三万九千円。一校当たりの補助額は一億七千六百十四万六千円で、学生一人当たりの補助額は二十六万五千円だった。平成二十四年度の交付総額三千二百三十八億七百七万二千円は、前年度と比べると約百五十六億円の減額。二十三年度は東日本大震災の発生を受けて大型の補正予算(総額約百八十五億円)が組まれたため。二十四年度でも被災学生に対する「授業料減免事業等支援経費(震災分)」と「被災私立大学等復興特別補助」が措置され、合計で五十億五千四百七万二千円が配分された。私立大学等の平成二十四年度の経常経費はまだ確定しないため、経常経費に対する補助金の割合は算出できないが、平成二十三年度の同補助金が経常経費に占める割合は一〇・五%で、昭和五十五年度の補助率二九・五%をピークに低落傾向が続いている。
 大学単位で補助額を見ると、最も補助額が多かったのは慶應義塾大学の九十六億八百八十九万円で昨年度三位からの躍進。昨年度トップだった日本大学は九十三億四千八百五十七万三千円で三位に後退した。教育研究条件の状況等でこうした移動が生じる。また八位の明治大学は、昨年度は十一位だった。そうした大きな補助額が交付される大学がある一方で、一千万円台の補助額の大学もある。短期大学で補助額が最も多かったのは福島県郡山市の郡山女子大学短期大学部。被災学生に対する授業料減免事業への補助(補助率三分の二)や被災大学を支援する復興特別補助が影響している。

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