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記事2013年8月13日 2281号 (2面)
修士レベルの教員養成課程改善WG
半年ぶりに議論を再開
「教員の資質能力向上に係る当面の改善方策の実施に向けた協力者会議」の「修士レベルの教員養成課程の改善に関するワーキンググループ」(座長=村山紀昭・北海道大学名誉教授)は、今年1月の第5回会合以降、中断されていたが、8月1日、第6回会合が東京・霞が関の文部科学省で開催された。この日は、これまでの議論の整理が行われたほか、教職大学院のダブルカウントの取り扱いについて議論された。同ワーキンググループの議論の大きなテーマとして挙げられているのは、教職大学院の教育課程の見直し、教職大学院の教員組織の見直し、国立の教員養成系修士課程の改善の3点。 今後の教員養成機能の在り方の方向性として、「学び続ける教員」を支援し高度専門職業人養成の場として、教職大学院を中心に改革を進めていく必要があるとしている。また、今後、教員養成は教職大学院が中心となって担うとされていることから、教員養成の修士課程は教職大学院に段階的に移行する。このため、既存の修士課程は学校実習など実践的な科目を取り入れ、総合大学においては他研究科の専門科目も活用しつつ、教職大学院への移行の準備を行うことが考えられるとしている。今後の教職大学院の拡充方策として、全ての都道府県に教職大学院が設置されることが望ましいが、その前提として、教員養成系修士課程の在り方の見直しが必要だとしている。これについて事務局から、国立大学は今後10年程度で全都道府県に教職大学院を設置する見込みとした。 委員からは、実際には教員採用の大半は学部卒での採用であり、各教育委員会と教職大学院の連携が欠かせないとの意見があった。また、連携を進めるために文部科学省の積極的提起が欲しいとの意見もあった。 教職大学院の教育課程の見直しについては、現行は共通5領域で約20単位を均等に履修させているが、これを改めて、コース等の特色に応じて履修科目や単位数を設定できるようにすることや、管理職を目指す現職教員を対象とする学校経営に特化したコースについては、20単位を6割程度に減少させてはどうかとした。また、5領域に追加すべき領域として、特別支援教育、地域との連携を挙げた。特化コース等として、学校マネジメントを学修するコースと、教育を俯(ふ)瞰(かん)し研究する教育実践研究を取り入れた体系的教育課程を編成してはどうかとした。実習の在り方については、理論と実践の往還が真に有効になるように質の担保を強調したいとした。教職大学院の教員組織は専任教員を最低11人としているが、加えて、教科領域分野の教員を教職大学院の専任として配置する規定を新たに考えてはどうかとした。また全ての教員が教職経験を持ち、合わせて研究能力と理論的な見地からの授業が行えることが望ましいとしている。実務家教員の比率については4割以上を維持することとしている。教員のダブルカウントに関して、専門職大学院の教員が既存の学部等の教員を兼ねることを暫定的に認める専任教員基準のダブルカウントが5年間認められていたが、その期限が平成26年3月で切れる。しかし今後、教職大学院の急激な増加で教員の確保が難しくなるとして、委員からは、期限の延長を要望する声も出た。
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