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記事2013年9月13日 2283号 (2面) 
総合学科と専門学科の 現状と課題を討議 年内にも審議まとめへ
初等中等教育分科会高等学校教育部会

 高校教育の見直しを進めている中央教育審議会初等中等教育分科会高等学校教育部会(部会長=小川正人・放送大学教養学部教授)は、9月10日、都内で21回目となる部会を開いた。この日は、高校の「総合学科」と「専門学科」の現状と課題等について検討したが、両学科に関する審議が終了したところで、小川部会長が、部会としては平成23年11月以来既に2年近く審議していることを指摘して、部会の今後の見通しを事務局である文部科学省に尋ねる場面があった。同部会は今年1月に中間報告を出して以降も個別の課題の検討を続けている。
 これに対して同省は高校の総合学科、専門学科、通信制課程をもう少し議論した上で、年内にも審議結果をまとめたいとの意向を明らかにした。
 これに先立ち行われた総合学科に関する審議では、同省から同学科で履修する「産業社会と人間」「課題研究」といった特色あるカリキュラムや、地域性にも配慮した同学科の総合選択科目群等が説明された。こうした説明に委員からは、総合学科の設置が伸び悩む原因を尋ねる意見が出され、別の委員からは、その原因について保護者の根強い普通科志向、高校の普通科が学年制を崩して単位制の総合学科に移行することに踏み切れないこと、生徒のカリキュラムの選択の幅が広がることからコスト上の問題があり、指導する教員もかなりの労力や幅広い経験・知識を求められるからではないか、との意見が出された。
 一方、専門学科に関しては、総合学科と同様に現状と課題等が事務局から説明された後、審議されたが、委員からは、「専門学科は体全体で学んでいる」「生徒の目的意識が高く、自立している」「専門学科に行っても大学進学が可能になるようにしてほしい」「中学校から(専門学科に関する)進路相談の充実を」と専門学科の振興充実を求める意見が聞かれた。その一方で専門学科、職業学科の不人気が職業の貴(き)賤(せん)の考えによるもので、社会構造を含めて発言していく重要性を指摘する意見も聞かれた。また、専門学科は、変化の激しい時代に専門性を深追いするよりは普遍的な思考力や探求心を育てる教育の必要性を指摘する意見、生徒の自立という視点で職業学科の実績を普通科に入れることが重要だとする意見が聞かれた。
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