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記事2015年1月23日 2329号 (1面)
文科省 高大接続改革実行プランを決定
大学に、入学者受け入れ方針など明示義務付け
昨年12月22日の中央教育審議会答申「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」を受けて、下村博文・文部科学大臣は1月16日、「高大接続改革実行プラン」を決定した。この改革実行プランは、高大接続改革を着実に実行する観点から、文部科学省として今後取り組むべき重要施策とスケジュールを明示し、体系的かつ集中的な施策展開を図るもの。
特に改革に当たっては、前出の三者一体的改革に取り組むこと、「知識・技能」のみならず、「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」などを含めて真の学力の育成・評価に取り組むこと、既存の「公平性」をめぐる意識を改革すること、高校生を始めとした関係者が見通しを持って対応できるよう配慮することを―を挙げている。
その上で、具体的には、各大学の個別選抜で入学者受け入れ方針、学位授与の方針、教育課程の編成・実施の方針という三つのポリシーの策定を義務付け(中教審の議論を経て平成27年度中を目途に改正)、同時に認証評価に関する省令を改正し、認証評価の評価項目に入学者選抜を明記する(同)としており、大学入学者選抜実施要項も直す。その中では「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の積極的活用と、出願要件として求める成績の具体的な提示等の活用方法の明示、多様な背景を持った学生の受け入れなどを盛り込む(28年度の要項以降順次反映)。
こうした個別選抜改革が速やかに実現されるよう、大学にとってインセンティブとなる財政措置の在り方を検討、取りまとめる(27年夏を目途に)。
「高等学校基礎学力テスト(仮称)」など二つの新テストに関しては、具体的在り方等を検討する専門家会議が27年度中に検討結果を取りまとめ、29年度初頭に新テストの実施方針を策定・公表、高校の新テストは30年度初頭を目途に、大学入者選抜の新テストは31年度初頭を目途に実施大綱を策定・公表する。
大学入試センターについては新テストの実施と方法開発、面接や集団討論等を含むテスト方法開発等を行う組織に改編する(28年度までに必要な法令改正等を実施、29年度に設立)。
高校教育に関しては調査書や指導要録を改訂(28年度中に)。
大学教育に関しては、ガバナンス改革を推進するため、大学設置基準を改正しSDの義務化など学長補佐体制の充実を図る(中教審の議論を経て27年度を目途に改正)。また認証評価に関する省令を改正し、学修成果や内部質保証に関する評価の規定を創設する(同)―などとしている。
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