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記事2015年5月3日 2340号 (1面) 
スポーツ庁設置の法案等、衆院通過
文科省提出6法案の審議状況
学教法改正案審議は今後
衆院予算委では私学振興問題も

 文部科学省は、現在開会中の第189国会に6法案を提出している。このうち今年10月に同省の外局としてスポーツ庁を設置する「文部科学省設置法の一部を改正する法律案」、記念の寄附金付き郵便葉書の発行等を可能とする「平成31年ラクビーワールドカップ大会特別措置法案」は全会一致で衆議院を通過、また、大会推進本部の設置等を柱とする「平成32年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案」は、一部野党を除く超党派の賛成で衆議院を通過、それぞれ参議院に審議の舞台を移した。また、参議院で審議され、4月22日に参議院を通過した「独立行政法人大学評価・学位授与機構法の一部を改正する法律案」の衆議院での審議はこれから。この法案は、同機構に独立行政法人国立大学財務・経営センターを統合し、名称も独立行政法人大学改革支援・学位授与機構とするもの。

 さらに量子科学技術に関する基礎研究等の業務を追加し、名称を量子科学技術研究開発機構とする「国立研究開発法人放射線医学総合研究所法の一部を改正する法律案」、小中一貫教育を行う新たな学校種の制度化、高校専攻科修了生に大学編入学の道を開く「学校教育法の一部を改正する法律案」の審議もこれからだ。

 このうち文科省設置法の一部改正案については、4月17日の衆議院文部科学委員会での可決後、附帯決議が採択されている。決議は行政改革の観点から組織の肥大化に繋がることのないよう十分に留意することや、スポーツ庁における関連施策の総合的な推進体制の整備に当たっては、その機能と役割の明確化を図り、縦割り行政を解消し、スポーツ行政の一体的な推進に努めることなど8項目の実施を求めている。また、4月16日の参議院文教科学委員会では、維新の党の柴田巧議員と下村博文文部科学大臣との間で教育バウチャー制度について質疑が交わされた。柴田議員は大阪市で平成24年度から実施している低所得層の中学生の家庭を対象に行っている塾代助成事業(学校教育外のバウチャー制度)について大臣の考えを尋ねたのに対して、下村大臣は「教育バウチャーは今後さらに議論対象とする大変重要なテーマ。ただその時に一番のポイントは財源問題。大阪で進めていることについては大変注目している」と語っており、現在、同省で検討しているフリースクールで学ぶ子供たちへの支援でも教育バウチャーや教育クーポンも論点の一つとしている。

 一方、3月10日の衆議院予算委員会第四分科会では私立中学高校の振興について質疑が行われた。質問に立ったのは山口県で私立学校を設置する学校法人の理事長の古田圭一議員。私学助成や県立中高一貫教育校の全国生徒募集、私立学校の耐震化等について質問、このうち耐震化については改築需要に対する予算の十分な確保を要請。これに対して藤原誠私学部長は平成26年度補正予算と27年度予算案で当面の需要には十分対応できると考えているものの、耐震化の完了までに必要と見込まれる2、3千億円程度の規模の需要については、まだまだ十分ではないという状況、と答弁している。



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