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記事2015年7月3日 2345号 (1面) 
地方創生で大・中規模大学中心に定員超過抑制
平成28年度から段階的に厳格化する措置決定

 文部科学省はこのほど、地方創生のための大都市圏への学生集中を是正する方策を定めた。それによると、学生定員に対する在籍学生数の割合「定員充足率」は1・0が原則だが、現状では全国で約4万5千人の入学定員超過(平成26年度の私立大学の状況)が生じており、うち約8割(約3万6千人)が3大都市圏(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の8都府県)に集中。特に収容定員4千人以上の大・中規模大学において3大都市圏への集中が顕著だった。そのため地方創生の観点からも大・中規模大学を中心に定員超過の適正化に向けた新たな措置を始めるもの。

 具体的には、@来年度から私学助成を全額不交付とする入学定員充足率を平成30年度までに段階的に厳格化する(収容定員8千人以上の大規模大学は現行の1・2倍以上↓1・1倍以上に、収容定員4千人以上8千人未満の中規模大学は現行の1・3倍↓1・2倍以上に、収容定員4千人未満の小規模大学については変更なし)。31年度に全大学を対象に定員超過入学者数に応じて学生経費相当額を減額する措置を導入する。さらに入学定員充足率を0・95〜1・0倍とした場合に私学助成を上乗せする措置を31年度、新設する。

 加えて、A既設学部等の入学定員充足率(修業年限4年の場合、開設前年度から過去4年間の平均値)が一定の基準を超える公私立大学については、新たな学部等の設置認可申請を認可しない取り扱いとする。平成31年度開設申請分まで段階的に措置する。

 また、B国立大学では、入学定員充足率が一定の基準を超えた場合、学生納付金相当額を国庫返納させ(平成30年度までに段階的に厳格化)、31年度には超過入学者数分の教育費相当額を国庫返納させる措置を導入する。

 同省では、これらの措置により平成26年度入学実績で試算すると、3大都市圏で約1万4千人、東京圏では約1万1千人の超過入学者が抑制される見込みとしている。
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