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記事2015年8月13日 2349号 (1面) 
文部科学省 平成27年度学校基本調査(速報値)公表
就職率上昇、大学院等進学率低下
幼保連携型認定こども園1943園に

文部科学省は8月6日、「平成27年度学校基本調査(速報値)」を公表した。調査は今年5月1日現在。大学学部学生は前年度と比べ増加したが、雇用環境の好転を背景に就職率が上昇、大学院等進学率は5年連続で低下を続けている。また、小・中学校の児童生徒の減少が続く中、特別支援学校の在学者数はこの5年間に二ケタの増加を見せている。学校種別の学校数や園児・児童・生徒数等は以下の通り。




 ■幼稚園=国公私立を合わせた幼稚園の園数は1万1676園で、前年度と比べ1229園減少していた。このうち私立幼稚園は7306園で前年度に比べ836園の減少。幼稚園数の減少は、一部の幼稚園が平成27年度から新制度として誕生した「幼保連携型認定こども園」に移行したためで、園児数も国公私立全体で前年度比15万5495人減の140万1966人となった。このうち私立幼稚園の園児数は115万8469人で同12万8815人減少していた。

 ■幼保連携型認定こども園=設置初年度(平成27年度)の園数は国公私立合わせて1943園(国立0、公立374、私立1569)、園児数は28万1090人で、このうち私立の園児数は23万7170人。園児構成を年齢別に見ると、0〜2歳児が6万7035人(全体の23・8%)、3歳児が6万9813人(同24・8%)、4歳児が7万2455人(同25・8%)、5歳児が7万1787人(同25・5%)。

 ■小学校=国公私立を合わせた学校数は2万601校(国立72校、公立2万302校、私立227校)で前年度比251校の減少(国立同数、公立256校減、私立5校増)。私立小学校数は平成17年度の194校と比べると、この10年間で33校増えている。

 児童数は国公私立全体で654万3114人、前年度比5万6892人の減少。私立小学校は学校数は増えたが、児童数は同461人減の7万7082人にとどまった。

 ■中学校=国公私立を合わせた学校数は1万484校で、前年度比73校減少していた。このうち私立中学校は774校で同3校の減少。生徒数は国公私立合計で346万5245人、同3万9089人の減少。このうち私立中学生は24万3390人で、同2410人の減少。学校数、生徒数における私立学校の割合は、学校数が7・4%、生徒数が7・0%で、前年度と同率だった。中高一貫教育を行う学校数は、併設型が444校、連携型が170校で、前年度と比べ併設型は41校、連携型は2校増えていた。

 今年3月の中学校卒業者数は117万4531人で、前年度比1万8459人減少していた。

 中学校卒業後の進路を見ると、高校等進学者が全体の98・5%(通信制課程を除くと96・6%)を占め、専修学校高等課程進学者は0・2%、就職者も0・4%とごく少数。それ以外は進学も就職もしていない者など。

 ■高校(全日制・定時制)=国公私立を合わせた学校数は4939校で、前年度比24校減少していた。うち私立高校は1320校、私立高校数は平成25年度から変わっていない。減少(24校)は全て公立で、国立は15校のまま増減はない。

 国公私立を合わせた生徒数は331万9122人で、同1万4897人の減少。このうち私立高校生は前年度から3308人増えて104万2329人となり、私立高校生の高校生全体に占める割合も前年度比0・2ポイント増えて31・4%となった。私立高校の学校数の割合も同様に0・1ポイント増えて26・7%となった。通信制課程は、学校数が前年度と比べ独立校で2校、併置校で4校増え237校となった。ただし生徒数は前年度から3254人減って18万500人となった。高校(全日制・定時制)卒業後の進路を見ると、大学等進学者が全体の54・5%と半分強を占め、そのほか専修学校専門課程進学者が16・7%、就職者が17・8%など。大学等進学率、就職率が増加し、専門学校進学率が微減した。

 ■中等教育学校=学校数は国公私立を合わせて52校、うち私立は17校。

 私立の生徒数は7709人で前年度と比べ206人減っていた。

 ■特別支援学校=国公私立を合わせた学校数は1114校で前年度比18校増加した。私立の学校数は13校。国公私立全体の在学者数は13万7895人で、同2278人増加していた。平成22年度から5年間の変化を見ると、就学人口が減少する中にあって、学校数が7・2%、在学者数が13・2%も増えている。

 ■専修学校=学校数は3199校(国立9校、公立193校、私立2997校)で、前年度比7校の減少。このうち高等課程を置く学校は430校、専門課程を置く学校は2823校で、単位制の学科を置く学校は830校、通信制の学科を置く学校は19校。今年4月1日から5月1日までの入学者数は31万2888人で、前年度と比べ1865人増加していた。

 ■各種学校=学校数は1227校(公立6校、私立1221校)で前年度比49校減少していた。生徒数は11万7760人。学校数、生徒数とも減少傾向が続いている。

 ■大学=学校数は前年度より2校減って779校(国立86校、公立89校、私立604校、通信教育のみを行う学校9校を除く)で、学生数は国公私立を合わせて285万9869人、前年度より4340人増えた。このうち私立大学の学生数は同5435人増の210万413人、私立大学生の割合は73・4%。大学学部卒業者の進路では、今春の大学院等への進学率が11・0%で、平成22年度の15・9%をピークに5年連続の低下。一方、就職率は72・6%で22年度の60・8%以降、5年連続の増加。パートやアルバイトといった一時的な仕事についた者(2・1%)、進学も就職もしていない者(10・3%)も減少を続けている。

 ■短期大学=学校数は前年度と比べ6校減の346校(国立0、公立18、私立328校)。学生数は13万2681人で、同3853人の減少。学生数の94・8%が私立短大生。学科別では教育関係の比率が37・8%で最も大きく、ここ10年間を見ると、その比率は漸増している。短大本科生の自県内入学率は今春、67・8%で、ここ10年間に約6ポイント増えている。卒業後の進路では、「専門的・技術的職業従事者」が全体の61・1%を占める。

 ■高専=学校数は57校(国立51校、公立3校、私立3校)、学生数は5万7611人。



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