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記事2019年1月13日 2464号 (1面) 
高等教育無償化等で関係閣僚合意
2020年4月から実施  対象大学等にも要件を課す

2020年4月1日から開始する「高等教育無償化」の制度の具体化に向けた方針が、昨年12月28日、関係閣僚間で合意された。次期通常国会に「大学等における修学の支援に関する法律案」(仮称)を提出、大学等における授業料等減免を制度化、日本学生支援機構により実施中の給付型奨学金を大幅に拡充する等の措置を講じる。  対象となる学校種は大学学部、短期大学学科、高専(学科4・5年生、認定専攻科の学生)、専修学校専門課程で、対象となる学生は住民税非課税世帯の学生。ただし支援の谷間ができないよう、年収300万円未満の世帯には住民税非課税世帯の3分の2、年収300〜380万円未満世帯には3分の1の支援を行う。  住民税非課税世帯の学生への支援内容は、私立学校生の場合、授業料は大学で約70万円、短大で約62万円、高専で約70万円、専門学校で約59万円、入学金では大学が約26万円、短大が約25万円、高専が約13万円、専門学校が約16万円となる。国公立学校については省令で規定されている標準額までを減免する。  加えて、給付型奨学金に関しては、私立の大学、短大、専門学校生の自宅生には年額約46万円を、自宅外生には年額約91万円を給付する。こうした手厚い支援のため、進学前に明確な進路意識や強い学びの意欲を、進学後は十分な学習状況を見極めた上で支援を行う方針で、学習状況によっては直ちに支援が打ち切られる。そのほかにも要件が設けられている。  一方、そうした学生を受け入れることのできる大学等にも要件があり、実務経験のある教員による授業科目が標準単位数の1割以上、法人の理事に産業界等の外部人材を複数任命、シラバスの作成、GPAなどの客観的指標の設定など厳格かつ適正な成績管理の実施・公表、貸借対照表、損益計算書その他財務諸表の情報や定員充足率、進学・就職の状況などの教育活動に関する情報の開示を求めている。大幅な定員割れなど経営に課題のある法人に関しては、法人の貸借対照表の「運用資産外部負債」が直近の決算でマイナスなどの場合は対象にはなれない。高等教育の無償化は2020年4月1日から開始されるが、2020年度の在学生(実施の際に既に入学している学生を含む)から対象となる。対象を希望する機関からの確認申請、要件の確認、対象大学等の公表は2019年度前半までに行われる予定。

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