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記事2020年3月3日 2503号 (1面) 
高校就職問題検討会議WTが報告書
就職あっせん1人1社制見直し提言
日本版O―NET活用も

 高校卒業者の就職慣行の在り方等について検討していた「高等学校就職問題検討会議ワーキングチーム」(文部科学省、厚生労働省担当官、経済団体職員、高校長、学識経験者の計6人で構成)が報告案をこのほどまとめ、2月10日の親会議に当たる高等学校就職問題検討会議に報告、了承された。


 報告書は高卒者の就職慣行等全般に関する関係者の評価や高校卒業者の就職慣行等全般に関する現状把握、対応の方向性等について言及しており、この中で一昨年の政府のいわゆる「骨太の方針」等で検討の必要性が指摘された1人1社制など学校による就職あっせんの仕組みについては、(1)一次応募の時点から複数応募・推薦を可能とする。ただし応募企業数を限定することもあり得る。(2)一次応募までは1社の応募・推薦とし、それ(例えば10月1日)以降は複数応募・推薦を可能とする。就職面接会で応募する場合は、期間にとらわれず2社以上の応募を可能とするのいずれかを選択することが妥当(地域や学校の実情に応じて他の対応策も可能)としている。


 学校の就職あっせんと民間職業紹介事業者の就職あっせんの在り方に関しては、(1)一次応募の段階から同時に生徒が利用することが可能、(2)一定期間は同時に行わず、一定の時期以降に同時利用を可能とするのいずれかの選択が妥当と指摘。


 また、民間の職業紹介事業者が高校卒業予定者に係る職業紹介を取り扱うことについては職業安定法上、可能だとし、そうしたことを関係者(民間職業紹介事業者、高校、経済界等)に周知を行っていくことが求められるとしている。


 高校における就職支援の在り方について、就職後1年以内の離職者が不安定就労につながりやすい傾向にあることから、学校は既卒者からの求めに応じて可能な範囲で就職相談等に応じるとともに、学校とハローワーク等の関係機関が連携した取り組みを進めることが重要としている。


 厚生労働省に対しては、文科省とともに、総合的な職業情報を提供する「職業情報提供サイト(日本版ONET)について高校現場での活用を促すよう求めている。


 日本版ONETは、一昨年の政府の未来投資戦略に盛り込まれた労働市場の見える化を目指して開発された職業情報提供サイトで3月19日にオープンする。同サイトは学生、求職者・在職者、キャリアコンサルタント、企業の人事担当者等と幅広い対象者に向け、職業検索、キャリア分析、人材採用支援、人材活用シミュレーション等の機能がある。職業検索ではフリーワード、スキル・知識、職業分野など様々な切り口で職業を検索することができ、約500職種の紹介動画を見ることができる。またキャリア分析では希望の職業との適合性を比較、これまでの職歴や身に付けた能力から、これから必要な学びを知ることができる。高校現場ではキャリア教育に活用することもできる。 


 同WTは報告書を作成するに際して、全国の専門高校(職業学科)および「1割以上の就職者のある公立・私立高校」を対象に現行の就職慣行に対する高校の進路指導担当教員の評価等についてアンケート(平成30年5月中旬頃から6月頃に)実施。1800校から回答を得た。それによると1人1社から1人複数応募に変えることについては74.1%が「現行のままがよい」と回答、企業側の評価もほぼ同様の結果だったが、卒業生の調査では31.8%が「同時に2社以上応募できたほうがよい」と答えていたことなどから、文科省と厚労省に対しては、報告書の内容を十分に踏まえながら適切な施策の検討や実現に努めていくことが求められる、などと報告書を締め括っている。 


 今後は各都道府県の高校生就職問題検討会議で県内の産業や求人の状況・特徴などを考慮、今回の報告書を踏まえて対応策等が検討されることになる。

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