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記事2020年6月23日 2514号 (1面) 
令和3年度大学入学者選抜実施要項を通知
コロナ、臨時休業への対応盛り込む 文部科学省、学業の遅れなどに対応
共通テスト令和3年1月16、17日
1月30日、31日に追試験実施 2月13日、14日にも特別追試

 文部科学省は令和2年度中に実施する令和3年度大学入学者選抜に関する実施要項をまとめ、6月19日付、伯井美徳・高等教育局長名で都道府県教育委員会教育長、都道府県知事、国公私立大学長、独立行政法人大学入試センター理事長等に通知した。令和3年度大学入学者選抜の日程を巡っては、新型コロナウイルス感染症防止のため高校で臨時休業が行われたため、入試日程の後ろ倒しを求める意見もあったが、大学等では従来の日程で既に試験会場の確保が進んでいるなど、来年度入学者選抜の準備がほぼ固まっていたことなどを考慮して、当初の予定通り(大学入学共通テストの実施期日は令和3年1月16日・17日)に行うことになった。ただし大学入学共通テストに関しては、令和3年1月30日、31日に追試験を実施、学業の遅れを理由とする者、1月16日、17日の試験を疾病等のため受験できなかった者を対象にする。さらに1月30日、31日の試験を選択した入学志願者が疾病等を理由に受験できなかった場合に備えて2月13日、14日に特例追試験も設けている。各大学に対しては、2月13日、14日の受験者が当該大学の大学入学共通テストを利用する選抜に出願できるよう配慮も求めている。

 各大学の個別学力検査に関しては、新型コロナウイルス感染症等に罹患した入学志願者の受験機会を確保するため、各大学は、追試験の設定あるいは追加の受験料を徴収せずに別日程への受験の振り替えのいずれかの実施を求めている。

 個別学力検査の試験期日は令和3年2月1日から3月25日まで。総合型選抜に関しては、高校等の臨時休業期間に配慮して入学願書受付を令和2年9月15日以降に遅らせ、判定結果は令和2年11月1日以降に発表すること、学校推薦型選抜に関しては、入学願書受付を令和2年11月1日以降とし、判定結果を令和2年12月1日以降で、一般選抜の試験期日の10日前まで(学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い期日)に発表する、としている。

 そのほか中止・延期となった大会や資格・検定試験等に関しては、そのことをもって入学志願者が不利益を被ることがないようにすること、総合型選抜や学校推薦型選抜では、例えばICTを活用したオンラインによる個別面接やプレゼンテーション、大学の授業へのオンライン参加とリポートの作成、実技動画の提出、入学後の学修計画書、大学入学希望理由書等の提出を取り入れた選抜を行うことを提案。出題範囲等に関しては、例えば高校第3学年でも履修することの多い地理歴史、公民、理科の2科目指定を1科目に減じることや、指定科目以外の科目への変更を認める配慮を求めている。入学志願者が解答する問題を選択できる出題方法とするなどの配慮や教科書の発展的な学習内容から出題しないことなど工夫も求めている。調査書の記載についても大学側に配慮を要請している。今後の新型コロナウイルス等の感染状況や学校の臨時休業の状況によっては試験期日を改めて検討することにも言及している。

 令和3年度大学入学者選抜実施要項には「新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドライン」を添付しており、事前の準備として試験室の確保、試験室の座席間の距離の確保、マスク、アルコール製剤の準備、試験監督者の体調管理等、医師、看護師等の配置、試験場への入場方法の検討、試験終了時の試験室からの退出方法の検討などを説明。

 また試験当日に関しては、マスク着用の義務付け、発熱・咳等の症状のある受験生への対応、体調不良を訴えた試験監督者等への対応、試験終了後に行うべきこと、受験生に対する要請事項などを説明している。
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