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記事2020年7月13日 2516号 (1面) 
中教審初中分科会開催
学校における働き方改革等について議論
コロナ禍踏まえたこれからの学びも

 中央教育審議会初等中等教育分科会(分科会長=荒瀬克己・関西国際大学学長補佐)は7月2日、第126回会合を文部科学省を拠点としたWEB会議方式で開催した。休日の「まとめ取り」の推進など学校における働き方改革、コロナ禍を踏まえた学校教育の在り方を中心に意見を交わした。

 教員の長時間労働に伴う学校の働き方改革の実現に向け「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)を改正、まず今年4月から超過勤務時間の上限設定(基本は月45時間、年360時間)など教職員の健康・福祉確保のための業務量管理についての指針を文科大臣が策定することができるようになった。そして来年4月からは夏休みなど長期休業期間の学校業務適正化のため、教職員が休業期間にまとめて休みを取ることができるといった1年単位の変形労働時間制を各自治体が選択的に導入し活用できるようになっている。

 委員からは「ほとんど改正されなかった給特法が改正されたのは、学校の働き方改革を本気で進めなければならないということの表れだと思う。学校だけではなく各地の教育委員会や自治体が文科省と連携して着実に進めなければならない」「本来であればまとめ取りしなくて済むような働き方改革も今後進めていくべきだと思う。またまとめ取りを行うためには、長期休業中の研修や部活動の大会など各校の行事や日程の設定を余裕のあるよう配慮する必要も出てくる」といった意見が出た。

 コロナ禍による学校教育については、「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」において取りまとめられた「新型コロナウイルス感染症を踏まえた、初等中等教育におけるこれからの学びの在り方について〜遠隔・オンライン教育を含むICT活用を中心として〜」が示された。感染症が収束していない「ウィズコロナ」の段階では対面とオンラインを組み合わせた新しい教育様式を実践すること、一方で収束した「ポストコロナ」の段階でも対面と地域と連携したオンライン教育とのハイブリッド化を図り、個別最適化された学びと協働的・探究的な学びの実現に取り組んでいくことなどが記されている。

 これについて委員からは「ICT機器の利用に伴う健康面の配慮にも触れてほしい」「インフラを整えるだけではなく、教員の活用能力向上やマネジメントできる人員の増加なども考えなければならない」といった提言があった。


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